日本共産党

2002年12月1日(日)「しんぶん赤旗」

解説

「核認証」原潜寄港

核出撃基地化の危険


「核攻撃能力の認証(nuclear certification)」は、米国防総省が、核兵器の発射や投下、運搬、貯蔵に従事する艦船や航空機、施設、部隊にたいして、一定の時間的間隔(十八カ月以内)でくりかえし与えています。専門チームが査察を行います。

 国防総省のマニュアルによれば、装備や施設あるいは要員などがもともと核兵器の使用能力をもっていても、この査察に合格し、公式に「認証」を受けなければ、核兵器任務を遂行する資格は与えられないことになっています。

 これまでも横須賀を母港とする空母に随伴する艦船が「認証」を受けていたことは知られていました。

 攻撃型原潜の場合は一九九四年の「核態勢見直し」で、「有事」に核弾頭付き巡航ミサイル・トマホークを再配備することになっています。つまり攻撃型原潜の「認証」とは、核トマホーク使用をおこなう能力と資格が正式に付与されるということです。

 このことは、日本にひんぱんに寄港する攻撃型原潜にひそかに核トマホークが装備される可能性があること、あるいはこれまでも日本国民にまったく知らされないまま、米軍が「有事」と指定して、秘密裏に核トマホークを積んで日本に寄港した可能性があることを示唆しています。

 現在のブッシュ米政権は、非核保有国に対する核先制攻撃さえ辞さないことを公式の戦略にしています。そのもとで、核兵器任務を「認証」された攻撃型原潜が日本にひんぱんに寄港することは、唯一の被爆国が米国の核の出撃基地として使われる危険性を意味します。(山崎伸治記者)


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