2002年11月27日(水)「しんぶん赤旗」
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長崎、佐賀、福岡、熊本四県の沿岸漁民と市民ら四百十六人は二十六日、有明海の再生をめざして、国営諌早湾干拓事業(長崎県)の前面堤防(内部堤防)工事の差し止めを求め、佐賀地裁に提訴しました。
提訴に先立ち、「よみがえれ! 有明訴訟」の原告団・弁護団百人以上が佐賀市内で集会を開き、市内をパレード。「宝の海をかえせ」と唱和しました。
訴状は、諌早湾干拓事業によって、干潟の浄化機能が失われ、赤潮の発生など有明海全体の環境破壊がもたらされたと指摘。漁業権をはじめ、自然がもたらす恵みを享受する権利(人格権)や環境権などが侵害されているとして、工事の差し止めと、国に対し原告一人あたり十万円の慰謝料支払いを求めています。提訴とともに、工事差し止めを求める仮処分を申請しました。
原告弁護団長の馬奈木昭雄弁護士の話 工事の中止で終わりではない、有明海を元の「宝の海」に戻すまで続ける。豊かな自然環境を次の世代に残すという義務がある裁判です。山から海まで地域住民全体が総力をあげて壮大なたたかいをたたかいぬきたい。