日本共産党

2002年11月26日(火)「しんぶん赤旗」

裁判所が認定した創価学会もう一つの盗聴


 創価学会と盗聴といえば、日本共産党の宮本顕治委員長(当時)宅の盗聴事件から最近では、創価大職員(元警視庁巡査部長)らによるNTTドコモ携帯電話通話記録漏えい事件までさまざまな「盗聴」が問題になりました。このなかで、もうひとつの「盗聴」が創価学会自身が起こした裁判の判決で明るみにでました。

 この裁判は二〇〇〇年四月二十四日、創価学会が日蓮正宗の能安寺(埼玉県所沢市)とその住職を相手に起こしたもの。住職が九九年八月八日の「御講」で、信徒を前に話した法話が創価学会の名誉を棄損したとして、五千万円の損害賠償と山門に謝罪広告を掲示するよう求めました。

 さいたま地裁川越支部がことし八月二十八日に下した判決は創価学会の勝訴。といっても住職らに命じた賠償額は請求額の千分の一の五万円で、謝罪公告の掲示も「必要ない」としました。

 判決で注目されるのは、名誉棄損を裏付ける最大の証拠として創価学会が提出した法話の録音テープについての判断でした。

 創価学会側は「能安寺の信徒が録音し、創価学会の会員に提供した」と主張しましたが、住職側は「参加した信徒から他に漏えいしたものではない」と反論しました。

 これに対し、判決は、創価学会側が「能安寺の信徒が録音した」との主張を裏付ける証拠を提出していないことなどを指摘。「何者かによって秘密裏に録音されることは恒常的になされている」「創価学会側に共感を持つ者または能安寺らに反感を抱く者によって…被告らの社会的地位の低下等の打撃を与える目的をもって盗聴テープを仕組んだものである疑いをぬぐい切ることができない」とまで判断しました。裁判所が創価学会側の盗聴を認めたわけです。

 また、創価学会は提訴後、聖教新聞や創価新報を使い、「大恩ある学会と信徒に対し、卑劣極まりない批判をしてきた坊主」などと批判してきました。判決は、創価学会の提訴について、「社会的地位を低下させ、心理的苦痛を加えるなど、有形・無形の不利益・負担を与えることをも目的として提訴したものであると推認することができる」とも指摘しました。

 かつて、創価学会は、宮本宅盗聴事件を創価学会の組織的犯罪と認定した東京高裁判決にたいし、最高裁への上告を取り下げ、判決を受け入れました。しかし、いまだに宮本氏にも日本共産党にも謝罪せず、山崎正友元創価学会顧問弁護士に罪をなすりつけて、創価学会員に説明もしていません。政党でも宗教団体でも「敵」とみれば、まさに手段を選ばず――。そんな体質がまたひとつ明るみにでました。(W)

 


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