2002年11月25日(月)「しんぶん赤旗」
健康食品販売を名目に「一年で倍になる」と勧誘して、会員約四万八千人から約千五百億円を集めた「全国八葉物流」(沖縄県北谷町)=今年一月、東京地裁で破産宣告=の出資法違反事件で、警視庁生活経済課と沖縄、愛媛両県警の合同捜査本部は二十四日までに、田所収・元名誉会長(68)ら幹部十数人について、今週にも詐欺容疑で立件する方針を固めました。
同社はカニの殻やミツバチの巣から抽出したエキスを含む複数の健康食品を販売する名目で出資金を集めました。被害者は全国四十七都道府県におよび、集めた金は総額千五百六十四億円で、豊田商事の約二千億円に次ぐ規模の大型詐欺事件となります。
これまでの調べによると、同社の会員には出資額によってランクがあり、最も一般的だった約百五十万円出資の「代理店」の場合、一年後に倍の約三百万円になるシステム。
子会員を紹介することなどでランクが上がり、数千万円単位の配当や紹介料を得た上位ランク会員もいました。しかし、二〇〇一年十一月ごろには、経営が行き詰まっていたとされます。
同課はこうした商法の実態がねずみ講に類似した金銭配当組織と判断。田所元名誉会長らは、少なくとも昨年末ごろには破たんを予期しながら、出資金を集めていた疑いが強いとみています。
合同捜査本部はこうした出資金集めのうち、都内の会員ら六人から計千四百十七万円を集めた出資法違反の疑いで今年三月、同社本社などを家宅捜索しました。