2002年11月22日(金)「しんぶん赤旗」
陸上自衛隊西部方面総監部の松川正昭総監が、大分県湯布院町の日出生台演習場ゲート前で開かれていた日米共同演習反対集会に現れ、「なぜ訓練に反対する。訓練は北朝鮮への抑止力になる」と暴言を吐いた問題で、地元住民グループ「米軍基地と日本をどうするローカルネット大分・日出生台」は二十一日、日出生台演習場ゲート前で抗議集会を開きました。
同ネットの浦田龍次さんは「集会にいきなり乱入してきて、集会中止を求めたり、“北朝鮮への抑止力だ”などと暴言を吐くのは国民の言論・集会の自由の権利を軽視している。このような責任者のもとで強行された日米共同訓練の動きに大きな恐怖を感じる。有事法制も絶対に認めることはできない」と訴えました。
集会後、小泉純一郎首相、石破茂防衛庁長官あてに同総監の謝罪・辞任を求める抗議文を、陸上自衛隊西部方面総監部の鶴田政仁広報幹部に手渡しました。
二十日には、松川総監の暴言を受けた集会主催者「日出生台対策会議」(岩崎正文議長代行)が同総監にあてて、発言の撤回、謝罪および会談を求める申し入れ書を、陸上自衛隊第四師団広報室長に提出しました。
陸上自衛隊の松川正昭・西部方面総監の暴言をめぐり、石破茂防衛庁長官は二十一日の衆院安保委員会で「訓練の意義を理解してもらうために説明しただけ。集会をやめろとはいっておらず、集会・結社の自由は侵していない」しつつ、「(松川総監の発言が)威圧、集会中止の圧力と受けとめられるのなら、問題があったと考えないといけないかもしれない」とのべ、事実関係の調査をする意向を表明しました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が「松川総監の暴言は憲法に保障された集会・結社の自由という国民の権利をじゅうりんするもの。松川氏への厳正な処分、発言の撤回を要求する」と追及したのに答えたもの。
小泉親司参院議員も外交防衛委員会で松村龍二委員長に対し、「松川総監が集会中止を求めたのかどうかをふくめ、実際にどのような発言があったのか明確にすべきだ」と要求。
同委員長は「次回の理事会で検討する」と答えました。石破長官も「何がどうだったのか調べる必要がある」とのべました。