2002年11月21日(木)「しんぶん赤旗」
労働者にサービス残業(ただ働き)をさせていた大阪府内の百三十八社が、労働基準監督署による是正勧告や指導で、今年一〜九月分の未払い賃金約四億一千万円を、労働者に支払ったことが二十日までにわかりました。サービス残業解消にむけた昨年四月の厚生労働省の通達にもとづいて、企業にたいして労働時間の把握や長時間労働の削減などの対策を推進している大阪労働局がまとめたものです。
大阪労連や日本共産党がサービス残業の告発、是正要請などを続けてきた成果です。
大阪労働局によると、投書や相談、労働者からの申告などをきっかけに府内十三の労働基準監督署が一月から九月までに勧告・指導したのは二百十五社。うち百三十八社が未払い賃金四億一千万円を三千二百二十九人の労働者に支払いました。
百万円以上支払った企業は二十八社。うち一千万円以上が九社でした。製造業、ホテル・飲食業、商業で件数が多く、事務部門のサービス残業が顕著だといいます。
そのなかには、休日出勤を私用出勤として処理するなどしていた保険会社(二百五十人分約二千万円)、時間外労働時間の上限(月三十時間)を設けて上限を超える部分の時間外手当を支払っていなかった労働者派遣会社(二十人分約三百万円)などがあります。
服部信一郎大阪労連副議長の話 私たちは、企業が異常なサービス残業を労働者に強いる一方で失業を生み出していることを告発し、大阪労働局にも是正を要請してきました。今回、大阪の労働基準監督署が企業に立ち入り調査をし、サービス残業を摘発し、是正させたことは評価できるものです。