日本共産党

2002年11月18日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPRESS

私と民青同盟


 仕事や就職のこと、学校のこと、平和や環境のことなど、いろんな問題をみんなで考え合い、「いっしょに社会をよくしていこう」と行動している日本民主青年同盟。そんな民青同盟と出合って、自分が変化しつつある、という青年たちがいます。二人の同盟員、神部紅さんと染谷友子さんの場合は――。

生きる意味見つけた

信じてくれた仲間に初めて本音話して…

神部  紅さん(20)

 「民青同盟と出合うまで、人を信じることができなかった。『自分以外は敵だ』と思い、殻に閉じこもってました」。十一月半ばにひらかれた、千葉県内の民青同盟員たちの会議で、神部紅(じんぶ・あかい)さん(20)=松戸市=は自分の変化を語りました。これまでのできごとを思い出し、泣きながら準備した原稿でした。

 「自分の弱さを人にはみせず強がっていた。『泣いたら自分に負けることになる』って思い、感情を押し殺していた」

 発言しながら、また泣きました。いっしょに参加していた妹(19)は「お兄ちゃんの涙を見たのは幼いとき以来」と驚きました。

 「以前の自分と同じ思いをもっている人はたくさんいるってことを、この間、いろんな人との対話で実感しました。そういう青年にこそ、民青同盟が待たれているって思う」

 中学校三年生ごろから、高校在学中、就職してからも、毎日のようにけんかをしていた時期がありました。目が合った、肩が触れた、と難癖をつけては、街でけんかをしました。

 照れながら、おだやかに話す姿からは、想像ができません。「いまでも傷、あるんすけど」。そういって見せてくれたこぶしには、あちこちに傷あとがありました。

 中学校時代、いじめにあったことが、暴力に訴えるようになったきっかけでした。暴力はいらだちや不安をごまかすための手段になっていきます。「むなしさしか残らなかった」といいます。

 自分をかえるきっかけをつかもうと、高校の授業にきちんと出席してノートをとり、山岳部の部長を務めました。クラスでの明るい自分、部活でがむしゃらになる自分。周囲にいらだち、反発する自分……。どれが本当の自分なのか、迷いは深まる一方でした。

 高校を卒業して内装会社で働き始めても、安い賃金や少ない人数でのきびしい仕事に、続けていけるのか、不安でした。「未来への展望が見えなかった。独りで悩んで、かかえて、生きていくのかな」と思っていたと、ふりかえります。

 民青同盟に入ったのはそんなときでした。昨年七月末のことです。

 はじめは「仕事が忙しい」と班会議に行きませんでした。「悩んでいることはない?」と、毎週、仲間が電話をくれました。「べつに、ないっすよ」といいながらも、ことしの四月ごろから少しずつ顔を出すようになりました。「自分のつらさに気づいてほしい、何とかしたい、と思っていたんでしょうね」

 班員たちが、いじめられたことや家庭の悩みなどをぶつけあい、泣きあったり、どうしたらよくなるかを考えあう姿に、「なんで熱く語れるの」と衝撃を受けました。神部さんが会社の労働条件を変えたいと悩んでいると知って、仲間が労働組合に問い合わせたり、労働関係の本で勉強したりしてくれました。

 「世の中、悩みを出し合っても、ため息ついて終わることってない?」と記者が聞くと、「民青同盟なら『じゃあ、変えていこうよ』といえる」と返ってきました。奨学金改悪や有事法制、労働問題などを班で学習して、いまの社会や政治のなかに自分の悩みの原因があり、みんなで力をあわせてよくしていけることを知りました。周りの青年たちと話をすると、以前の自分と同じようにあきらめかけている青年がたくさんいました。

 九月、神部さんに、ある同盟員が悩みを打ち明けました。泣きながら、「自分が生きている価値ってあるのか」と。これまで、深刻な相談は受けたことがありませんでした。「信頼して話してくれているのに、なんで自分は『悩みがない』と隠しているのか。本音で話していない自分が、親身になって話せるのか」。初めて、つらい気持ちをけんかにぶつけていたことを話しました。「おれも同じ思いをもっていたんだ。生きることをあきらめたら、負けてしまうよ」

 そういう神部さんにその同盟員は「だから今の神部君があるんだね」といってくれました。

 神部さんは語ります。「自分が存在する意味を探していたけど、民青同盟に入って、自分が仲間たちに求められていると思った。本当に、自分が最近変わってってると実感するんですよ」


みんなで変えようョ

こんなに熱い人がいる こみあげたうれしさ 

染谷 友子さん(23)

 仕事がきつくて疲れがぬけない。忙しいのは、能力が足りないから…?「自分のせい、と思っている人、どうせ変わらないとあきらめている人、政治や社会に無関心な人…そんな人にこそ、民青同盟に入ってほしい」。まっすぐに目を見つめて話す染谷友子さん(23)。横浜市内の病院で看護師をしています。

 病院で働く人たちでつくる班に所属しています。毎週一回の班会議(班会)が楽しみ。「どんなに疲れていても、元気をもらえるんです」

 あるとき、自分の近況を語り合う「三分間スピーチ」で、男性同盟員が恋愛で悩んでいると打ち明けました。それを聞いてみんな興味津々。「それはこうだよ」「それじゃダメー」…。「結局班会が恋愛相談コーナーになっちゃいました」

 ぎょうざパーティー、なべ会、バーベキュー。班活動は多彩です。「食べてばっかりじゃないですよ」。パンフレットを使って科学的社会主義の学習、民青新聞の読み合わせ。ほかの班と合同で有事法制反対パレードもしました。

 班会で「仕事のやりがい」について話し合ったときのこと。

 「事務の人が、外来の患者さんにどういう対応をすれば医師や看護師が働きやすいか、患者さんに安心してもらえるにはどう対応したらいいのか、考えながら仕事をしているというんです」

 そうなのか――。人の役にたつ仕事をしたい、人とかかわるなかで自分も成長していきたい、と思って看護師になりました。しかし、日常の業務に追われ、手が届かないでいました。「別の職種の人の話を聞いて、自分の力になりました。私もがんばっていこう、と」

 民青同盟との出合いは昨年末。就職一年目で仕事に慣れず、てんてこ舞いしていた時期でした。

 血圧測定、点滴、シーツ・おむつの交換に寝たきり患者の入浴介助、患者が入退院するときのサマリー(看護要約)の準備。看護師の仕事は多岐にわたります。夜勤のとき、ナースコールを二件受け終わったと思ったら、三つめの電話も鳴っていた、ということも。

 仕事を終えたある日、先輩の女性看護師から民青同盟の話を聞かないかと誘われました。

 「民青同盟なんて名前も知らなかった」。先輩は紹介パンフレットを前に、身ぶりも交えて政治や社会の問題、医療や平和について語りました。

 「こんなに“熱い”人がいるんだ」

 次第にうれしさがこみあげてきました。同世代の人は政治や社会について無関心、もしくはあきらめてばかりかと思っていました。ところが、「社会を変えよう、と運動している人がいるなんて!」。加盟申込書に「みんなとがんばっていきたい」と書きこみました。

 班会では「患者さんに喜んでもらうには」など仕事に直結するテーマも話し合います。“笑顔で接すること”という案が出ました。「そうだなと思いました」。国の定める看護師の数が、そもそも少ないことも知りました。一つひとつの意見が視野を広げます。

 「仕事がたいへんなのも、自分のせいだけではないと考えられるようになりました。医療改悪など、社会全体の問題もあります。お金のある人もない人も、命は平等。でも、(政治が)医者にかかれない人を増やしているんです」

 いっしょに考え合う仲間が一人でも増えたらうれしい、と染谷さん。「先日も、新しい仲間が二人、民青同盟に入ってくれたんですよ」。笑顔がこぼれました。


民青同盟 22日から大会

 日本民主青年同盟は、十一月二十二日から二十四日まで、第三十回全国大会を東京都内で開きます。

 大会決議案「平和、仕事、生き方――青年の願いにこたえ、ともに学び成長する班を日本中にひろげよう」は、次の三つの柱からできています。

 (1)いっしょに声をあげよう――切実な願いの実現と、日本と世界の未来のために

 (2)激動の時代、青年とともに学び、交流、成長できる民青同盟に

 (3)「民青同盟に出会えてよかった」――みんなの力で職場、地域、学園に班を

 班を基礎にした多彩な要求の実現にとりくみながら、青年の関心や模索にこたえる学習と交流をすすめることを提起し、そのために班を二倍にふやして、民青同盟がもっと青年に身近な存在となることをめざしています。


日本民主青年同盟って何?

 青年の生活と権利をまもり、青年の願いが実現する社会を力をあわせて実現しようと活動している、個人加盟の自主的な全国組織です。二万人をこえる同盟員がいます。十五歳から原則として二十五歳までの青年が加盟できます。

どんなことをしているの?

 地域や職場、学校などで三人以上を単位に班をつくっています。毎週一回の班会議をおこない、悩みを語り合ったり、やりたいことを出し合って、多彩な活動をします。日本共産党を相談相手に、日本共産党綱領と科学的社会主義を学んでいます。

どうしたら入れるの?

 民青同盟の目的と規約をみとめて、同盟費をおさめ、班で学び活動しようとする青年ならだれでも入れます。同盟員一人の推薦が必要です。

 民青同盟の問い合わせ先 03(3468)5301

日本民主青年同盟のホームページ http://www.dylj.or.jp


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