2002年11月18日(月)「しんぶん赤旗」
「来週(十八日以降)までには、ほとんどの法案を参議院に送付することができる」
自民党の中川秀直国対委員長は十五日の党役員連絡会で国会運営方針をこう報告しました。今国会の会期末は十二月十三日。審議日数が残り二十二日間となったなかで、国民生活に影響する法案をドタバタと通そうという思惑です。
「不良債権処理」の加速策の一環として、来年四月のペイオフ解禁を二年間延期させる「預金保険法改正案」などの金融三法案は七日に衆院本会議で審議に入りましたが、財務金融委員会での審議は参考人質疑を含めてもわずか三日。与党側は、十九日の同委員会での質疑後、ただちに採決し、二十一日に衆院を通過させようとしています。
地域限定で規制緩和する「構造改革特区法案」も同様。これまで衆院内閣委員会での審議は二日間で、十九日には参考人質疑をし、今週中の通過を狙っています。日本共産党は徹底審議を尽くせと主張しています。
「特殊法人改革関連四十六法案」は、特殊法人を独立行政法人にしたり民営化する法案。日本共産党は「ムダな部門の廃止」「天下りの禁止」「生活部門の充実」の三つの方向を対置して追及し、問題点を浮かび上がらせました。十八日には衆院特殊法人改革特別委員会に小泉純一郎首相が出席して総括質疑が行われ、採決されます。
与党はいまだ、野党の求める衆参予算委員会での経済問題や、イラク、日朝交渉など外交問題の集中審議に応じていません。四野党国対委員長は十二日の会談で、引き続き集中審議を求めていくことを確認しています。
参院法務委員会で審議されている「人権擁護法案」をめぐって与党側は、報道・取材活動規制条項を「凍結」させる小手先の「修正」で審議を進めようとしています。
しかし参考人質疑では、この「凍結論」にも反対意見が出され、「人権救済機関」が、刑務所内の人権擁護に敵対的態度をとっている法務省の外局として設置される法案の根本的欠陥ぶりが浮き彫りになりました。参院野党の国対委員長会談では、「今国会では、以降『人権擁護法案』の審議には応じない」と確認しています。
小泉首相は今年度補正予算案を編成する方針を決め、週明けにも政府・与党間で補正の規模や内容を調整します。小泉内閣の経済運営のあり方がいっそう問われることになります。