2002年11月13日(水)「しんぶん赤旗」
サラ金などの金利を規制する出資法の上限金利は「高すぎる」と批判されていますが、その上限金利をさらに引き上げようと、サラ金業界が政治団体をつくり、自民、公明、保守の三与党に政界工作をおこなっていることがわかりました。これは、来年予定されている上限金利見直しを業界に有利に運ぼうとする動きで、サラ金・ヤミ金被害者団体から強い批判の声があがっています。
サラ金などの業界団体「全国貸金業協会連合会」(全金連、小倉利夫会長)は、昨年十一月の理事会で、上限金利を年29・2%から34・675%に引き上げることを求める「要望書」を決定しました。
全金連は二〇〇〇年十一月に、政治団体として「全国貸金業政治連盟」(会長、小倉全金連会長)を設立。上限金利引き上げ問題をふくめて、政界に働きかけています。全金連は、現行金利では、貸金業者の利益が減り、悪質業者にとって代わられる、などと主張しています。
小倉会長は、業界紙のインタビューで「パーティや各派閥との懇談会などに出席議員の地元協会長などに同行を願い、業界の実態認識に務め…認識が深まってきていることを、与党の業界関係法令などの審議で実感する」(「日本金融新聞」八月一・十日合併号)と話しています。
昨年の政治資金収支報告書によると、同政治連盟は、自民党の七条明、金田勝年衆参両議員のパーティー代各十万円を支出したほか、塩崎恭久自民党衆院議員を支部長とする自民党愛媛県第一選挙区支部にも五万円を寄付。
さらに、公明党との「懇談」に十一万六千円余(昨年一月)、二十六万五千円余(同十二月)、公明党機関紙購読に六十八万九千九百六十円も支出していました。
全国ヤミ金融対策会議代表幹事の宇都宮健児弁護士の話 史上最低の低金利時代で、普通預金の金利は0・001%だ。出資法の上限金利は、実にその二万九千二百倍もの高さで、引き上げなんてとんでもない。少なくとも、利息制限法(15〜20%)まで引き下げるべきだ。