2002年11月9日(土)「しんぶん赤旗」
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JR労働者などでつくる建交労組合員の福田忠邦(60)、菅正毅(60)の両氏が残業代の支払いを求めた訴訟(広島高裁は六月に支払いを命じる判決)は、JR西日本が六日、最高裁への上告を取り下げたため、両氏の勝利が確定しました。JR西日本が一カ月単位の変形労働時間制を悪用して、勤務時間を特定したあとに会社の都合で勤務を変更し、超過勤務分の残業代を支払っていない違法行為が断罪されたものです。
建交労広島鉄道地本(林義男執行委員長)は八日、「組合側勝利の高裁判決確定にあたって」との声明を発表し、「JR西日本の労働基準法を順守しない非常識な『主張』に対する交通・運輸関連職場をはじめ多くの職場での批判の広がりの反映」と指摘しました。
広島市東区の建交労事務所で石井雅司書記長と喜びの握手を交わした菅氏は「JRが突然取り下げたのには驚いたが、全国からの支援と激励に感謝したい。変形労働制のもとで働く労働者の労働条件改善の運動の力にしたい」と話しました。最高裁が上告を受理した十月二日以後、連日寄せられた署名数は三百二十七団体、五千五百三十人に達しました。
林委員長は「組合の違いによる差別、選別によって乗務を外し、労基法違反の見せしめ勤務につけた。JR西日本は判決を守り、改悪してきた就業規則の改定と、今も行われている不当労働行為を直ちにやめるよう求めたい」と話しています。