2002年11月9日(土)「しんぶん赤旗」
自民、公明、保守の与党三党の衆参議員有志による「与党・日朝関係と人権を考える会」なる議員連盟が七日、結成され、設立総会に約四十人が参加しました。
同会は、「拉致問題」の真相解明や「核開発」問題、北朝鮮帰国事業などの検討を趣旨にしていますが、拉致問題ではすでに「拉致救出行動議員連盟」があり、なぜ新たな議員連盟かとの声があがっています。一般紙(八日付)では、「メンバーの一人は設立の狙いを『共産党対策』と説明する」「(拉致議連からは)『…新議連の結成は拉致事件を政争の具にするものだ』(幹部)などの怒りの声が上がっており、議連間の対立に発展する可能性もある」(「日経」)「『公明党が共産党とのけんかに利用しているだけ』(自民党中堅議員)との冷めた見方も出ている」(「毎日」)などと指摘されています。
自民、保守両党からの同議連役員は、山口泰明、小池百合子、松浪健四郎(衆院)、泉信也、世耕弘成(参院)の五氏ですが、衆院の三人は二〇〇〇年総選挙で公明党の一次推薦を受けた議員。参院でも世耕氏は公明党が推薦した十二選挙区の自民党候補の一人です。自由党から比例代表で当選して現在保守党の泉氏は再来年に改選を迎えます。
また、同会は座長こそ自民党議員をすえているものの、同会を実質的に取り仕切る事務局長には、公明党広報委員長の漆原良夫衆院議員が座っています。事務局自体も、「事務局長の議員会館事務室に置く」とされ、漆原氏の部屋になっています。二〇〇〇年にマスコミに流出した内部資料では、同氏は公明党内での日本共産党対策の司令部「K委員会」の副委員長になったとされています。
設立総会では、退職間際に警備公安警察官と会食し、就職あっせん依頼をしていたことがわかり、日本共産党を除名された兵本達吉・元国会議員秘書が「講演」と称する反共攻撃をおこないました。
(F)