日本共産党

2002年11月8日(金)「しんぶん赤旗」

母子家庭をどこまで苦しめる

児童扶養手当削減

前田参考人の陳述


 児童扶養手当の削減などを柱とする母子寡婦福祉法等改悪案を審議している七日の衆院厚生労働委員会で、全国生活と健康を守る会連合会事務局次長の前田美津恵氏がおこなった参考人意見陳述(要旨)を紹介します。

 母子家庭をどこまで苦しめたら気がすむのでしょうか。九八年、所得基準の引き上げで六万四千人の児童扶養手当が切られ、今年八月から三十三万人が減額されました。さらに削減しようというのが今回の法案です。

 母子家庭の収入が低い中で児童扶養手当は命綱です。小学三年生の娘をもつ石巻市の母親は「不況で給料も少なく、子どもがかぜをひいても病院にも連れていってやれない。親子にとって命綱です」と訴えています。

 なぜ五年を経過したら手当を減額するのか。お金は小学校に入学してからいっそうかかります。手当は以前は義務教育終了までだったのが十八歳までになり、さらに十八歳の年度末まで延長されました。国も必要だから延長したはずです。現行維持を強く要望します。

 養育費が実際に入ってくる人は二割、平均二〜三万円。八月から養育費は所得に算入され、さらに子どもに渡されている分も算定されます。自立の促進に就労と養育費があげられていますが、実態は養育費を請求できない事例が多い。虐待や暴力から逃げてくる人にも請求せよというのでしょうか。養育費の収入への算入は撤回してほしい。

 正当な理由がなく求職活動をしなかったときに手当を停止・減らすことも問題です。不況で思うように仕事がみつからないとか、養育費の請求ができないとき、自立の活動をしなかったことになるのか。それをだれが判断するのでしょうか。

 これらは、政府がすすめている少子化対策にも逆行するものです。

 就労支援も養育費の請求も大切ですが、それが手当削減の理由にはなりません。就労がうまくいき収入が増えれば、所得基準で手当の支給がなくなるからです。徹底審議で廃案にしてほしい。

 


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