2002年11月6日(水)「しんぶん赤旗」
創価大グループによる携帯電話の通話記録盗み出し事件で東京地裁は五日、三被告全員に電気通信事業法違反、窃盗などの罪で有罪判決を言い渡しました。
有罪判決を受けたのは創価大学学生課副課長の根津丈伸(41)、同大剣道部監督の田島稔(40)、同大出身でドコモ・システムズ社員の嘉村英二(26)の各被告(いずれも事件発覚後に解職)。
判決によると、女性友達と別の男性の「不倫」を疑った田島被告が二人の通話記録の「調査」を根津被告に相談、根津被告がかねてから親しい関係にあった嘉村被告にそれを依頼しました。依頼を受けた嘉村被告が今年四月二十五日夜、東京・江東区のNTTドコモ情報システム部の料金明細システムの端末機を不正に操作し、二人の携帯電話の通話月日、通話開始時刻、通話先番号、通話時間を記載したデータを持ち出し、翌日JR三鷹駅付近で根津被告に渡しました。
根津被告はこれを、田島被告にメモさせた上で裁断。その後田島被告が、被害者の男性に記録を持っていることを伝えたことで事件が発覚し、電気通信事業法違反(通信の秘密侵犯)と窃盗(嘉村被告)、同教唆(根津、田島被告)で起訴されていました。
公判で被告側は、事実関係については争わず、加藤学裁判官は嘉村被告に一年六月(求刑同)、根津被告に一年三月(求刑一年六月)、田島被告に一年(求刑同)をいずれも執行猶予三年つきで言い渡しました。
被告側は「私的で一過性の事件」という主張に終始しましたが、被告弁護人には、創価学会副会長をつとめる福島啓充、松村光晃、築地伸之の各弁護士らが顔をそろえて注目されました。