日本共産党

2002年11月2日(土)「しんぶん赤旗」

大学と自衛隊の「共同研究」
「学問の自由」危うくする

石井、児玉議員

大阪大総長と会談


写真
自衛隊との「共同研究」で岸本・阪大総長(左端)と会談する石井、児玉両議員=10月31日、大阪府吹田市

 自衛隊が昨年度からいくつかの大学に働きかけて自衛隊幹部による安全保障の講義や討論などの「共同研究」を実施している問題で、日本共産党国会議員団文部科学部会の石井郁子、児玉健次両衆院議員は十月三十一日、大阪府吹田市の大阪大学を訪ね、岸本忠三総長と会談しました。

 阪大大学院の国際公共政策研究科のある講座で、昨年十月から十二月にかけ陸上自衛隊の幹部を招いた四回にわたる「共同研究」が行われ、その中で、陸自駐屯地で院生も参加した二泊三日の北東アジア地域での侵攻を想定した「危機管理対処戦略(ロールプレーゲーム)」が実施されていました。

 石井、児玉両議員は大学の研究・教育は、平和を追求する憲法・教育基本法を共通の基盤におくものであり、自衛隊との「共同研究」は「学問の自由」を危うくするものだと懸念を表明。防衛庁業務の周知・普及、自衛隊幹部候補生の確保も含めた防衛庁側の狙いも指摘しながら、大学での実情を聞きました。

 会談のなかで、岸本総長は「学問は自由だが、医学ではクローンなどの研究の是非を倫理的に審査する。社会科学の分野でもそのような議論があっていいのでは」とのべました。同席した大学側関係者は「『学問の自由』を守るために学内で自律的な努力、議論をすすめることは重要だと思う。防衛庁に利用されるようなことがあってはいけない」と語りました。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp