2002年11月2日(土)「しんぶん赤旗」
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雇用確保のための助成金が、“リストラ大企業の補助金”に化ける――。一日の衆院厚生労働委員会でこんな実態が明らかになりました。日本共産党の小沢和秋衆院議員がとりあげたものです。
NTT東日本・西日本の両社は、大規模なリストラで今年五月に労働者を退職させ、新設の子会社百社に五万二千五百人を再雇用させました。小沢氏は、この子会社が近くいっせいに、雇用確保のため企業に支払われる「高年齢者等雇用安定助成金」を申請する動きを指摘しました。実施されれば、一人当たり十万円、総額にして約五十億円もの助成金が子会社に支給されることになります。これは、助成金の目的が厳しい経営状況にある企業の雇用を守らせるため、としてきた政府説明にも反しています。
小沢氏は、「NTTはこの退職・再雇用で労働者の賃金を三割切り下げ巨額の利益を得た。このリストラは雇用の確保などにまったく貢献していない。こんなところに助成金を出すのか」と政府の姿勢を追及。坂口力厚生労働相は、「NTTの問題は初めて聞いた。なんとも申し上げられない」とのべました。
小沢氏はさらに、失業者の生活支援のための「離職者支援資金」の枠が一千億円あるのに、実際は二十六億円しか利用されていない問題について質問。坂口氏は「保証人を二人から一人に、(償還期間を)五年から七年ぐらいにできないか検討している」と、条件緩和の検討を約束しました。