2002年11月2日(土)「しんぶん赤旗」
衆院憲法調査会(中山太郎会長)は一日、二〇〇〇年一月の発足から今年十月までの調査の経過をまとめた「中間報告書」を自民、民主、公明、自由、保守各党の賛成多数で議決しました。日本共産党と社民党は反対しました。中山会長は同日午後、綿貫民輔議長に同報告書を提出しました。「『おおむね五年程度を目途とする』調査期間の折り返し点となる二年半が経過した」(中山会長)というのが主な作成理由です。
「中間報告書」は、四編構成(設置の経緯、設置の趣旨・組織・運営、調査の経過、資料)で七百六ページ。第三編第三章で委員や参考人の意見を憲法の各条章に沿って「論点整理」をおこなっています。
議決に先立つ各党の意見表明で日本共産党の春名直章議員は、「日本国憲法の広範かつ総合的な調査」との調査会の目的に照らし、憲法の運用状況などやるべき調査活動がこの二年半ほとんどなされていない実態をあげ、「報告書を出せる段階ではなく、調査の経過は会議録等で十分」と主張。
「中間報告書」の大部分を占める「論点整理」について、そもそも日本国憲法の各条章に沿った論点ごとの調査はおこなっていない、したがって調査会の実際の調査内容を公正に反映したものになっておらず、「結局、改憲を志向した編集意図で論点が整理されているといわれても仕方ないものだ」と反対しました(5面に要旨)。
自民党は「国民の間での憲法論議に資する」、公明党は「極めて妥当な内容だ」とそれぞれ評価。民主党も「(報告書は)論議の成果。これをもとに活発な論議を」と主張、自由党は「残りの調査会を精力的にすすめるうえで時宜をえたものだ」とスピードアップを求めました。