日本共産党

2002年10月31日(木)「しんぶん赤旗」

電力業界 禁止ウラン輸入

国連決議破りナミビアから

吉井議員追及 政府が調査を約束

70―80年代


 衆院内閣委

 国連決議でアフリカのナミビアから天然資源の持ち出しが禁止されていた時期に、日本の電力業界がひそかに、原発の燃料のウランを輸入していた――。原子力基本法の「自主・民主・公開」の大原則や国際ルールを踏みにじる電力会社、国の不正疑惑を三十日、日本共産党の吉井英勝議員が衆院内閣委員会で明らかにしました。政府は「疑惑を持たれることがあってはならない」と、真相解明の調査を約束しました。

 吉井氏は、資源の持ち出しが禁止されていた一九七〇年代から九〇年ごろまでのウラン輸入実績を電力各社の内部資料などで提示。南アフリカのナフコール社やナミビアにウラン鉱山を所有する英国のRTZ社などと、日本の各電力会社との取引実績などを示しました。

 内部資料によると、取引実績があるのは、東京電力、関西電力など九電力。東京電力は九〇年までに最大の八千九百トン(ウラン換算)などのナミビア産ウランをRTZ社経由で購入しています。ナミビア産ウランの輸入は「国際的な取り決め違反の密貿易のたぐい」と調査を要求しました。

 細田博之科学技術担当相は「できるだけ(吉井議員の)意向にそって、調査をしたい。経済産業省に対して照会する」と答弁しました。

 吉井氏はさらに、「電力会社と通産省(現経済産業省)が一体となって『南ア制裁』の国連決議を無視して進めてきた。東京電力の不正事件の内部告発を二年間隠してきたのと、同じ構図」だとのべ、内閣として調査・報告するよう求めました。

 福田康夫官房長官は「この問題について所管の官庁がしっかり対応すべきと思う。所管の官庁と業界が疑念を持たれることがあってはならない」と述べました。

 


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