2002年10月28日(月)「しんぶん赤旗」
今年の夏、少雨にもかかわらず、インド北西にあるバクラ・ダムの水があふれたのは、ヒマラヤの氷河が急速に溶け出しているからだ―当地で二十三日から開催されている気候変動枠組み条約第八回締約国会議(COP8)に合わせて、インドの環境NGO(非政府組織)、科学環境センター(CSE)は地球温暖化を改めて警告しました。
CSEのニュースレターによると、ヒマラヤのピンダリ氷河が年に十三メートル、ガンドリ氷河が年に三十メートル後退、インドの河川を潤してきたヒマラヤ氷河の後退は、突発的な洪水の危険を増しているといいます。
CSEはまた、冬季の降雨量が5%から25%減り、夏の乾期の干ばつをもたらすと予測。水不足は穀物生産に打撃を与えると述べています。さらに、冬の最低気温の上昇が、マラリアやデング熱、黄熱病などを運ぶ蚊が涼しい地域でも発生するようになると警告しています。(ニューデリーで小玉純一)