2002年10月25日(金)「しんぶん赤旗」
「工事を落札した後に献金が集中したのは、税金の横流しだ。鈴木宗男議員とどこが違うのか」
日本共産党の佐々木憲昭議員は二十四日の衆院予算委員会で、大島理森農水相の宮内寛・前政務秘書官が公設秘書時代に、選挙区である八戸市の市民病院建設など公共事業の口利きで数千万円の口利き料を得た疑惑を追及しました。同病院建設の受注業者から大島農水相への献金が、落札後の一九九六年に急増していることを明らかにし、「口利きの見返りといわれても仕方がない」とただしました。
佐々木氏は、大島農水相が、病院建設を請け負った十八社から一九九五年〜九七年の三年間で計千八百九十九万円の企業献金を受け取ったことを指摘しました。顕著なのは、工事落札後の九六年に前年の十倍近い千五百四十四万円を集めていることです。
さらに、工事落札率が予定価格とほぼ同額の99%台という異常さを示し、「談合の疑いがきわめて強い」とのべました。
佐々木氏が献金について「秘書は口利きを認めても見返りを受けなかったというが、大臣が受け取ったということになるのではないか」と迫ると、大島農水相は「法に基づいて適切に処理している」と答弁。佐々木氏は、逮捕・起訴された鈴木宗男衆院議員の政治資金規正法に基づく献金がわいろと認定されたことから、「法に基づいて処理したといっても疑惑は晴れない」と追及しました。
小泉純一郎首相は「大島大臣が責任を持って調査している」と答えるにとどまりました。佐々木氏は「調査というが秘書に聞いただけで、本人が疑惑について『犯罪を犯した』というはずがない。客観的な調査が必要だ」とのべ、前秘書官と口利き料授受を仲介したとされるコンサルタント会社役員の参考人招致を要求しました。