2002年10月25日(金)「しんぶん赤旗」
二十四日の和解で、昇格・昇進差別を受けていた芝信用金庫従業員組合の男性組合員四人にたいしても昇格是正措置の道が開かれました。
芝信用金庫では一九六八年以降、芝信用金庫従業員組合の組合員にたいし、集団でつるし上げて暴行を加えたり、組合員をわいせつはがきをだした犯人とでっちあげるなど、悪質な組合攻撃がおこなわれてきました。
これらの不当労働行為が裁判で断罪され、金庫にたいする社会的批判もたかまるなか、一九八〇年に和解が成立。しかし、金庫側はその後も組合員への昇格・昇進差別などを続けたため、差別を受けている二十人の男性組合員の救済を労働委員会に申し立て(一九八七年)、中央労働委員会は男性四人の昇格・昇進差別以外、すべての不当労働行為を認めました(一九九二年)。
昇格・昇進差別が認められなかったこの男性四人が、東京地裁に提訴。地裁の判決(一九九八年)は、信用金庫側の不当労働行為の意思と昇格試験不合格との間には、相当の因果関係があると認め、不当労働行為でないとする中労委命令を取り消しました。
ところが続く東京高裁判決(二〇〇〇年四月)では、昇進・昇格しないのは、昇格試験の成績が理由で、不当労働行為でないと不当判決。最高裁に上告していました。
今回の和解で、昇格試験を受験することによって、昇格が実現できる道が開かれました。