2002年10月24日(木)「しんぶん赤旗」
全国労働組合総連合(全労連)は、パート・臨時で働く労働者の実態アンケート調査の結果とパート労働者の権利と労働条件向上を求める政策案を発表しました。政策案は、十九日に東京都内で開かれた「パート労働者の実態とパートタイム政策研究交流集会」で提案されたものです。この案をもとにした意見や提案を寄せてほしいと呼びかけています。
政策案は、パート労働者がいまや全労働者の26%に当たる約千百万人をしめ、職場の基幹的役割を果たす存在にもかかわらず、雇用、賃金・労働条件、権利保障はあまりに劣悪と指摘しています。
パート労働者の最大の問題である「正社員との差別」の改善は、厚労省の「パートタイム労働研究会最終報告」がしめすような法的拘束力のないガイドラインや労使の努力だけでは不十分であり、「均等待遇」を法律に明記しなければならないとのべています。「均等待遇」は、EU諸国では、当然の流れとなっており、ILO(国際労働機関)一七五号パートタイム条約を批准すべきだとしています。
パートの処遇は改善するが総額人件費が膨らむことは避けるとして打ち出した「最終報告」の「短時間正社員制度」について、全労働者の時短をすすめることが重要と指摘しています。弱い立場のパート労働者にこそ解雇規制が必要であること、政府税調が配偶者特別控除の廃止を打ち出していることにたいしては課税最低限度額の引き上げで就労調整問題は解決可能なことなどをのべています。
私たちの具体的な要求(政策)
政策案の「私たちの具体的な要求(政策)」の柱は次の通りです。(1)パートタイム労働法に「均等待遇」を明記し、違反した事業主への「罰則規定」を設ける(2)ILO一七五号パート条約等を批准し、国際労働基準を実現する(3)一方的な解雇を規制する解雇規制法を制定し、有期労働契約を規制する(4)最低賃金の引き上げ、全国一律最低賃金制の確立(5)パート労働者に関係する税制・年金・社会保障の改善(6)職場での「均等待遇」実現、労働条件の改善