2002年10月19日(土)「しんぶん赤旗」
【ローマ18日島田峰隆】イタリア全国の職場で十八日、ベルルスコーニ右派政権が狙う解雇規制の緩和と国民サービス予算の削減に反対する八時間のゼネストが始まりました。同国最大の労働組合、イタリア労働総同盟(CGIL)が呼び掛けたもので、午前中にはミラノで二十五万人がデモ行進するなど、百二十都市でデモ行進と集会が開かれ、百万人が参加しました。
同労組によると、同日正午の時点で、同労組が代表する労働者六百万人の80―90%がストに参加、四月十六日に行われたゼネストを上回る参加率となっているといいます。アリタリア航空が二百七十五便をキャンセルしたほか、中長距離列車も百本が運行中止となりました。首都ローマでも博物館や地下鉄、病院が朝から閉鎖されました。
ローマでは数万人の市民が「市場任せ、解雇の自由に反対」「労働者保護と権利拡大を」などと書いた横断幕や風船を手にデモ行進しました。
「予算案にノー」と書いたプラカードを持った国家公務員の男性(60)は「来年度予算では公務員の新規採用が凍結され、国民サービスはますます機能しなくなってしまう。解雇規制の緩和と同様、政府は国民の生活を守ることには何の関心もないんだ」と怒りを語りました。
ローマでは、独・仏・伊の労働法制や規制緩和の動向調査のために欧州を訪問している日本の「民主法律協会」の代表団(団長、河村武信弁護士)も行進し、有事法制やNTTのリストラへ反対を訴えました。
このほか、八千人のリストラ計画を発表したフィアット本社のあるトリノでは、二十万人がデモ行進しリストラ撤回を求めたほか、フィレンツェで二十万人、ジェノバで七万人など各地で大規模なデモ行進が行われました。