日本共産党

2002年10月14日(月)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書の自習用ドリル

侵略戦争美化を満載

植民地支配は「適切」日本が独立を早めた


 「…(大東亜)戦争中に日本が組織させた現地軍事組織は、独立を勝ち取る上で大きな役割を果たした」―太平洋戦争がアジア解放の戦争だったというこんな記述を正解とする中学歴史教科書の「自習用ドリル」(扶桑社)が発行されています。先の侵略戦争を“正義の戦争”と教え込む立場からの問題集です。

 ドリルは、「新しい歴史教科書をつくる会」メンバーが執筆した侵略戦争賛美の「新しい歴史教科書」(扶桑社)専用。

 「大東亜会議とアジア諸国」では、日本軍の侵略について、「東南アジアの人々の多くは、日本軍の進攻と勝利を歓迎し」たと、事実をねじ曲げて侵略行為を美化し「日本側も…自治や独立を承認」したなどと記述。「大東亜戦争中に日本から独立を承認された国を2つ書きなさい」という問いを設定しています。領土拡張を意図した「大東亜会議」や「大東亜共同宣言」をとりあげ、「日本の戦争理念」が「各国自主独立」や「人種差別撤廃」にあったことを正解としています。

 「大東亜戦争(太平洋戦争)」では、「特攻」作戦について「神風特別攻撃隊による米軍艦に対しての航空機体当たり攻撃が初めて実行されたのはいつか」が問題。「特攻」が英雄的なたたかいだったことを教え込む意図があらわです。

 韓国併合にかんし、「この併合は日本の武力を背景として行われたが、当時の国家間交渉としては合法的なものであった」という日本の植民地支配を「適切」とする問題となっています。

 「つくる会」の中学歴史教科書については「教師用指導書」が発行されています。同書では太平洋戦争について「日本の進出によって独立を早めるきっかけとなったことを理解させる」などと指示。「指導書」にそった問題集となっています。

 


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