2002年10月12日(土)「しんぶん赤旗」
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十一日おこなわれた第三十三期将棋新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第三局は東京・渋谷区の将棋会館で、勝浦修九段の立ち会いのもと、関口孝夫赤旗編集局長らの見守るなか、木村六段が粘りに粘って局面を打開、ついに逆転に成功する大熱戦が展開されました。
午前十時、ともに角道を開け開戦。鈴木七段は中飛車に構えて、両陣営の囲いが整わないうちに飛車角を中央にせり出す異例の戦形で、先手陣への侵入をうかがう積極的な攻め口をみせ緊迫した局面が連続しました。
午後三時半すぎ、後手が△1五角で先手陣営をおびやかしたとき、控室で鈴木七段優勢かとの声もでましたが、木村六段は厳しい局面を切り抜けようと▲6七玉と早逃げし逆転の機会を狙いました。
夜戦に入り、木村六段が自玉を敵陣にまで入り込む逆転街道をひた走る大熱戦となり、午後八時三十分、ついに鈴木七段を投了に追い込みました。
立ち会いの勝浦九段は「木村さんは序盤で鈴木さんにうまく仕掛けられ苦しくしましたが、終盤、早逃げでいい勝負にしました」とのべました。
先 ▲木村一基 六段
△鈴木大介 七段
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩▲2五歩△5二飛▲5八金右△5五歩▲2四歩△同歩▲同飛△3二金▲4八銀△2三歩▲2六飛△6二玉▲6八玉△5四飛▲3六歩△5六歩▲6六歩△5五角▲3七桂△5七歩成▲同金△5六歩▲6七金△3三桂▲2九飛△3五歩▲同歩△4四角▲5八玉△3五角▲3六歩△2四角▲6五歩△1四歩▲6八銀△7二玉▲6四歩△同歩▲5五歩△4四飛▲5六金△3五歩▲同歩△3六歩▲2五桂△1五角▲1六歩△4八角成▲同玉△3七銀▲5七玉△3八銀不成▲6七玉△2五桂▲5四歩△4七飛成▲5七金△3七竜▲5九飛△5六歩▲同玉△6五桂▲6七金△4七銀不成▲6六玉△4六竜▲7五玉△4八銀不成▲5六飛△同竜▲同金△5七桂成▲5三歩成△5六成桂▲4五角△8二玉▲5六角△4六飛▲6七角△7四歩▲6四玉△4七飛成▲5八金△4六竜▲4五飛△3七銀不成▲4七歩△4五竜▲同角△7二銀▲6五桂△9二玉▲6三と△同銀▲同角成△6二歩▲7二飛△同金▲同馬△6三飛▲同馬△同歩▲同玉△8二飛▲7三金△同桂▲同桂成△8一金▲5五角(投了図)まで113手で木村六段の勝ち