日本共産党

2002年10月12日(土)「しんぶん赤旗」

東電原発損傷隠し

第三者機関で全容究明を

衆院委で塩川議員 社長の国会招致要求


 次々明るみに出る原発の損傷隠し。経済産業省はなぜ「記録の改ざんや隠ぺい」「虚偽報告」を行った東京電力を法的に処分しないのか――。十一日の衆院経済産業委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員は、「厳重注意」だけにとどめた経済産業省の措置に「納得がいかないというのが、国民に共通する思い」と述べ、政府の東電への「処分」の甘さをきびしくただしました。


 塩川氏は、東京電力が福島第一原発1号機で、国の定期検査前に、緊急炉心冷却装置炉心スプレイスパージャに取り付けたクランプ(補強金具)を取り外し、検査終了後に取り付けた偽装・隠ぺい行為の違法性と悪質さを指摘。電気事業法一二〇条八号に定める定期検査を「拒み、妨げ、又は忌避した」違法行為に当たると追及しました。

 経産省の原子力安全・保安院の佐々木宜彦院長は「検査妨害に当たらない」などと答弁。塩川氏は「東電も(報告書で『取り付けたクランプが発見されないよう作為した』と)その事実を認めている」と重ねてただしました。佐々木保安院長は、一転して「(定期検査が行われた)九六年にそのことが判明していれば指摘の通り」と認めながら、「すでにそうした事態から三年以上経過している」などと答えました。「公訴時効」を口実に追及をさける姿勢を示しました。

 塩川氏は「こういった問題が国民の前に説明がない。(隠ぺいなどを)誰が、指示したのかも明らかになっていない」と述べ、調査のやり直しを要求。第三者機関による事故隠しの全容の徹底究明と、原子力「推進」の経産省から独立した規制機関を確立することと強調し、東電の南直哉社長、勝俣恒久副社長、榎本聡明前副社長の参考人招致と、経産省と内部告発者、東電、点検にあたったGE社とやり取りの手紙や資料、安全性評価データの提出を求めました。

 谷畑孝経産委員長は「理事会で協議していきたい」と答えました。

 


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