2002年10月9日(水)「しんぶん赤旗」
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南西諸島最大で、多様な生物の宝庫である泡瀬干潟(沖縄市)の埋め立て問題で、事業者の内閣府沖縄総合事務局は八日、作業船の座礁を防ぐ航路ブイの設置に着手し、海上部分での工事をはじめました。
埋め立てに反対する「泡瀬干潟を守る連絡会」は同日朝、干潟を一望できる県総合運動公園近くで「緊急集会」を開き、強く抗議しました。
同事業は、中城湾泡瀬地区の百八十七ヘクタールを総工費六百五十億円かけて埋め立て、ホテルや人工ビーチなどをつくる計画です。総合事務局は工事にともなう海草移植は当面、「手植え工法」で行うとしています。
しかし、この「手植え工法」は、国が設置した「環境監視・検討委員会」でも、深部への移植は検討されたことはなく、「専門家の意見を無視し、科学を冒涜(ぼうとく)するものだ」(日本科学者会議沖縄支部の亀山統一事務局長)と強い批判を呼んでいるもの。
抗議集会で「守る会」の内間秀太郎、小橋川共男両共同代表は「海草の移植はまったく成功していないのは明らか。環境に配慮しているといいながら工事を強行するのは許されない」と訴えました。