日本共産党

2002年10月3日(木)「しんぶん赤旗」

国際連合とイラクが98年2月に合意した「了解覚書」(要旨)


 国連のアナン事務総長は一九九八年二月二十日、イラクによる国連査察拒否問題の打開のため、バグダッドを訪問してフセイン大統領と会談、同月二十三日、イラクと査察再開で合意しました。同事務総長とイラクのアジズ副首相が署名した国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の査察問題に関する「了解覚書」の要旨は次の通りです。

 一、イラク政府は、決議六八七(九一年)と決議七一五(九一年)を含む安全保障理事会のすべての関連決議の受諾を再確認する。イラク政府はさらに、国際連合特別委員会(UNSCOM)と国際原子力機関(IAEA)に全面協力する保証をくりかえす。

 二、国際連合は、イラクの主権と領土保全を尊重するとの全加盟国の誓約をくりかえす。

 三、イラク政府は、第一項にのべた諸決議に基づくUNSCOMとIAEAの即時、無条件、無制限の立ち入りを認めることを保証する。安全保障理事会の諸決議のもとでの任務の実施において、UNSCOMは、国家の安全保障、主権、尊厳に関するイラクの正当な関心を尊重することを保証する。

 四、国際連合とイラク政府は、本覚書の付属書に定義されたイラクの大統領施設八カ所において委任の作業を実施するための第一回およびその後の立ち入りには、以下の特別の手続きが適用されることで合意する。

 a、この目的のため、UNSCOM執行議長とIAEA事務局長との協議のうえ、事務総長によって、特別グループが設置される。

 同グループは、事務総長が任命する高級外交官およびUNSCOMとIAEAから選抜される専門家で構成される。同グループは、事務総長が任命するコミッショナーが長を務める。

 b、作業の実施において、特別グループは、安全保障理事会の関連諸決議にしたがって、UNSCOMとIAEAの定められた手続きと、大統領施設の特別の性格にかんがみて創出される具体的に詳述された手続きのもとで活動する。

 c、特別グループの活動と所見に関する報告は、UNSCOM執行議長によって事務総長を介して安全保障理事会に提出される。

 (注)UNSCOMは、九九年十二月に採択された安保理決議一二八四で設立された国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)に任務が引き継がれました。

 


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