日本共産党

2002年10月3日(木)「しんぶん赤旗」

イラク査察 再開で合意

国連協議

米は軍事攻撃に固執


 【ウィーン1日岡崎衆史】イラクの大量破壊兵器査察再開のため、九月三十日から当地の国連ビルで開かれていた国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)、国際原子力機関(IAEA)とイラク政府代表の実務者協議は一日、一部のイラク大統領関連施設を除く、すべての施設の無条件査察再開で合意に達し、終了しました。予定通り査察が再開されれば、米英両国の空爆で中断した一九九八年十二月以来となります。


 大統領関連施設八カ所については、一九九八年二月のイラク政府と国連のアナン事務総長との合意に基づき、事前の立ち入り予告など一定の手続きを行ってからの査察となります。

 一方、パウエル米国務長官は同日、緊急記者会見>し、新たな国連安保理決議採択までは査察の再開を認めない方針を表明しました。イラク側に新たな条件を提示することで、査察を妨害し、あくまで軍事攻撃に固執する米国の無法性がいっそう明らかになっています。

 UNMOVICのブリクス委員長は、協議終了後の記者会見で、「イラク代表は安保理決議に基づく査察の権限をすべて受け入れることを表明した」と述べ、満足感を表明しました。同委員長は三日、安保理に報告し、今月半ばにも査察先遣隊の現地入りを果たしたい意向です。

 国連、IAEAとイラクの代表(団長=サーディ・イラク大統領特別顧問)は、査察方法、査察チームの滞在個所、移動方法など技術的な分野について二日間にわたって協議しました。イラク側は、国防省や内務省といった機密性の高い施設への無条件査察を認めたほか、九八年六月―〇二年七月までの軍民両用核関連施設のデータが入った四枚のCD―ROMを国連側に提出しました。

 


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