日本共産党

2002年10月1日(火)「しんぶん赤旗」

老人医療 きょうから負担増

改悪中止し元に戻す運動を

在宅患者は平均5倍に


患者100人の試算

 通常国会で自民、公明、保守三党が強行採決した医療改悪法で、お年寄りの医療の自己負担が一日から上がります。この影響について、寝たきりのお年寄りなどへの往診を専門におこなっている東京・足立区の柳原ホームケア診療所が老人医療の患者約百人の影響を試算した結果、平均で五倍近い負担増になることが明かになりました。

表

 月二回の往診の場合、改悪前の患者負担は薬代も含め月千七百円でした。それが改悪後は平均で月六千円程度に。薬代と合わせると負担は平均月八千円弱になります。

 濃縮酸素で呼吸を補う在宅酸素療法や、胃へ管を通して栄養剤を注入するなどの処置を受けていると、負担はもっと増えます(図)。

 同診療所の青木とも子看護師は「これではお年寄りの行き場がどこにもなくなってしまう」と訴えます。「入院すると高い差額ベッド代をとる病院も多い。そもそも病院に払う診療報酬がどんどん減る仕組みで長くは入院できません。そのうえ今度は自宅で医療を受けるとまた高負担。介護保険の利用料もあるし、いったいどこまで取られるんだという感じです」

 同診療所では患者・家族に個別の試算結果を通知し、相談活動を始めています。すると年金が月四万円程度で子どものいない夫婦や、重い病気の子どもと親の医療費の両方を負担している人など、十人以上から「どうしても払えない」と切実な声が寄せられました。

 「生活保護の申請をしたり、可能な人は外来に来てもらう方法がとれないかなど対策を模索中です。しかしどうにもならない人も出てきます。こんな理不尽な改悪はただちに中止し、元に戻すよう求め現場から運動もしていきたい」。同診療所の町田昌久事務長は語ります。

 


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