2002年9月27日(金)「しんぶん赤旗」
鈴木大介七段(28)と木村一基六段(29)が対戦する第三十三期将棋新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第一局が二十六日、東京・渋谷区の東京将棋会館でおこなわれ、激戦の末、先手の鈴木七段が奇手▲1三銀を放ち午後九時四十二分、133手で鮮やかに先勝しました。
午前十時。関口孝夫赤旗編集局長やファンが見守るなか、立ち会いの真部一男八段の「定刻になりました」の声とともに、先手・鈴木七段が▲7六歩、木村六段が△8四歩と突きあい、対局が開始されました。
鈴木七段は七手目で飛車を8八の位置に大きく転回する「向かい飛車戦法」を取り、木村六段は熟考しながら、居飛車で陣型をがっちり整備していきました。
両者堅陣で向き合うなか千日手・指し直しの可能性が出現、先手が手を変え、こう着状態を脱する局面もありました。
控室には佐藤康光棋聖・王将ら多くの棋士が訪れ、局面を検討しました。
優劣不明のまま終盤の激戦となり、鈴木七段が九十七手目、控室がどっとわいた▲1三銀を打ち込み一気に第一局を制しました。立ち会いの真部八段は「序盤は振り飛車側が十分。終盤、居飛車側がうまく押し切った」とのべました。
鈴木七段の話 序盤はうまくいかず自信がなかった。▲1三銀が見えて勝ちになりました。
木村六段の話 あんまりいい手が指せなかった。出来が良くなかった。第二局は頑張ります。