日本共産党

2002年9月27日(金)「しんぶん赤旗」

原発推進メーカー出身者

保安検査官の半数占める

中途採用で「天上がり」


 原子力発電所の安全審査や規制をおこなう経済産業省原子力安全・保安院が、原発を推進する関連メーカーの技術者ら五十二人を、中途採用していたことが二十六日までの本紙の調べで分かりました。

 中途採用者は、原発所在地に常駐する原子力保安検査官などに配属されています。その結果、保安検査官全体(約百人)の半数を、東芝や日立製作所など関連メーカーからの、「天上がり」が占めるという、異常ぶりが浮き彫りになっています。

 原子力安全・保安院企画調整課によると、民間からの中途採用は、二〇〇〇年四月から開始。内訳は、(1)原子力プラントメーカー(原子炉の製造・保守)技術者四十三人(2)エンジニアリング(設計)関連六人(3)核燃料製造などの事業者二人(4)検査関連業者一人―となっています。

 保安院の佐々木宜彦院長は、「メーカー等から六十人程度、二十年から三十年経験された方に(保安院へ)入ってもらった」(二十日の第二回評価委員会)とメーカーからの「天上がり」を推進してきたことを認めています。

 保安検査官は、原発の運転日誌のチェックや設備の保守管理などをきめた保安規定を、各事業所が遵守しているかどうか年四回点検する、保安検査を主な業務としています。

 原子力安全・保安院検査課は「保安検査官が電力会社の自主点検に立ち会う法的な規定はない」と説明。「原発を巡回している最中に、自主点検が実施されていれば、立ち会うこともあるが、損傷隠しが発覚した原発の自主点検に、立ち会ったことはない」としています。

 


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