2002年9月26日(木)「しんぶん赤旗」
東京電力は二十五日、福島県議会全員協議会の中で、特別に発言があるとして、一部にひびの見つかっていた福島第一原発3号機の、制御棒駆動水圧系配管の全数調査結果を公表しました。同3号機では、全部で二百八十二本ある制御棒駆動水圧系配管のなかで、二百四十二本にひびが入っており、そのうち三本はひびが貫通。薄い塗装で水漏れはかろうじて防がれていたといいます。
このことで福島第一原発の広報部は同日、福島県庁内で記者会見をし、国への報告の必要がある基準肉厚三ミリを割るひびが現在十六カ所あることを明らかにしました。
またひびの深さの調査は、発見当初超音波検査した十三本に加え、ひびの長さが長いもの十本のみを割って調査したもので、その十本すべてが基準肉厚を保っていませんでした。調査した以外にも基準肉厚を割るひびがある可能性があります。しかし東電は、基本的にこの件での調査はこれで終了するとしました。
制御棒駆動水圧系配管は原子炉内の制御棒を動かすための水を送る配管で、同3号機では、八月中旬に偶然調査した配管のうち、半数以上に傷が見つかっていました。福島第一原発のほかの原子炉でも、同様の配管で、これまで国に報告していなかった複数の傷があったことが、日本共産党の調査で分かっています。