2002年9月26日(木)「しんぶん赤旗」
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子会社への転籍を拒否すると遠隔地への転勤や異職種への配転を命じられたNTT東日本、同西日本の労働者二十二人が二十五日、両社などを相手どり、配転の無効と損害賠償を求めて東京、札幌、静岡、名古屋、福岡の五地裁にいっせいに提訴しました。
訴えたのは、NTTグループの労働者でつくる通信産業労働組合(全労連加盟)の組合員。両社が行った外注子会社への事実上の転籍を拒否したところ、北海道や東北から東京へ、九州から名古屋へと遠隔地配転を命じられました。原告のなかには病気や高齢の親をかかえる人、家族の介護、子どもの養育にあたっている人も少なくありません。この配転は労働基準法や育児介護休業法などに違反している、としています。
NTTは昨年四月、グループの労働者十一万人を子会社に移す大規模なリストラ計画を発表。その柱は、電話の保守・管理・営業にかかわる業務を新設する地域子会社に外注化し、これに携わる労働者をこの子会社に移すというものでした。五十一歳以上は「いったんNTTを退職し、基本賃金は三割カットで再雇用に応じろ」と迫り、「NTTに残ればいまの仕事はない。全国どこにでもいってもらう」と脅していました。原告らがこれを拒否すると、七月から八月にかけて次々と遠隔地に配転しました。
通信労組の岩崎俊委員長は「裁判は、違法・脱法の方法でリストラを押し通すNTTの社会的責任を問い、無法なリストラに歯止めをかけるためのたたかいともなる。この不当性を広く訴えていく」と話しています。