日本共産党

2002年9月21日(土)「しんぶん赤旗」

いすゞ裏マニュアル退職強要やめよ

日本共産党神奈川県委が申し入れ

本社人事部長 「趣旨わかる再度徹底」

大森、畑野議員同席


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いすゞ自動車本社に希望退職の強要をやめるよう申し入れた大森、畑野、笠木氏ら党の代表=20日、東京・品川区

 いすゞ自動車(井田義則社長)が人減らしリストラ計画として新たに全社で三千七百人の希望退職を募集し、川崎工場では事実上の退職を強要する執拗(しつよう)な「個人面談」が行われている問題で、日本共産党神奈川県委員会、同川崎南部地区委員会、同川崎市議団の代表は二十日午後、東京・品川区の同本社を訪れ、「希望退職強要をやめ、雇用と地域経済を守る社会的責任を果たせ」と申し入れました。

 笠木たかし党川崎市委員長らが申し入れ、日本共産党の大森猛衆院議員、畑野君枝参院議員が同席しました。同社の秋山敏明総務人事部長が応対しました。

 大森氏らは、「希望退職は本人の意思で応募するもので、強制力の働かないことが重要」と指摘。「個人面談」が退職強要の場になっており、管理職による面談者に対応する「面談シナリオ」が存在しているのではないかと指摘。退職意思のない労働者に執拗に勧奨を続ける場合は、違法な権利侵害との判断基準を示した旧神奈川労働基準局のNKKへの指導文書(二〇〇〇年二月十五日)も示し、退職強要をやめるよう是正を求めました。

 秋山総務人事部長は、「面談の基本は二回。四回も五回もということは聞いていない」と語り、「面談シナリオ」の存在は「ありえない」と否定。しかし、大森氏らは、「五回も面談を受けた」などとする労働者の具体的な告発内容を示し、重ねて是正を要求しました。

 秋山部長は、旧神奈川労働基準局の指導文書の存在は承知しているとし「趣旨はわかるので、(退職強要がないよう)再度徹底したい」と答えました。また「辞めたくない」という意思にもかかわらず、いったん希望退職に応じた労働者が、退職の撤回を申し出た場合は、「最終的には本人の希望であり、経過があったとしても応募を撤回することはかまわない」との見解を示しました。

 希望退職募集日は二十四日からですが、川崎工場内では、今月三日から労働者への「個人面談」が重ねられ、三回以上、五回も面談を受けた労働者が続出。「面談」では、管理職から、「これから先あなたの仕事はない」「五十五歳以上には全員に応じてもらっている」「整理解雇されたくないでしょう」などと執拗に退職を迫られたり、精神的苦痛を訴える労働者も出ています。

 問題の「面談シナリオ」によれば、五十五歳以上、五十五歳以下に分け、辞めてほしい人と残す人をあらかじめ選別。五十五歳以上は事実上全員が対象です。「積極的に応募を検討していただく」労働者には、「今回のチャンスを逃すと次は優遇条件が悪くなり、再就職の支援もなくなりますよ。場合によっては退職金もなくなる…」と脅かし退職を迫る文面になっています。

 


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