2002年9月21日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン19日坂口明】ブッシュ米政権が十九日緊急採択を迫る対イラク戦争容認決議を議会に提出したのに対し、デニス・クシニチ(民主党)、バーバラ・リー(同)、バーニー・サンダーズ(無所属)氏ら米下院議員十八人は同日、米議会前で記者会見し、同決議案への反対を次々に表明しました。
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クシニチ議員らは▽イラク政権に問題はあっても同国は米国にとって差し迫った脅威ではない、▽イラクは米同時テロ事件との直接の関係はない、▽大量破壊兵器を保有する他の三十カ国も先制攻撃するのか、▽イラク攻撃に賛成する選挙民はごく一握りで、大多数は何が起こっているのか不思議に思っている、▽医療・教育問題こそ米国民にとって真の脅威だ――などと指摘しました。
その上で各議員は「他国への先制攻撃は米国の道義に反する」「国際的な無政府状態をもたらす」「新たな決議を第二のトンキン湾決議(注)にするな」「米国は核兵器や化学兵器の削減のため他国と協力すべきだ」と訴えました。
クシニチ議員は、「われわれは議会の多数を代表していないかもしれないが、国民の多数を代表しています。反対派は増えていきます」と語りました。
リー議員らは、「米国は国連と協力して、査察再開、交渉、調停、その他の平和的手段で、イラクが大量破壊兵器を開発しないようにすべきだ」とする決議案を提出しました。
(注)トンキン湾決議ベトナム侵略戦争時の一九六四年八月に、ベトナム北部トンキン湾で米駆逐艦がベトナム側に発砲されたという「事件」を理由に米議会が採択した決議。大統領にあらゆる軍事措置を認めています。これを契機に米軍はベトナム北部への本格的攻撃を開始しました。その後明らかになった米国防総省の秘密報告は、同事件が米軍の計画的挑発のなかで起きたと確認。七〇年に米上下両院は同決議の廃棄を決議しました。