2002年9月19日(木)「しんぶん赤旗」
高速道路で橋げたと橋脚の間の免震装置として使われる「ゴム製支承」について販売価格カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会は十八日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで業界大手のオイレス工業(東京)やブリヂストン(同)などメーカー十数社を立ち入り検査しました。
公共工事に使われるゴム製支承の高値は、本紙が一月一日付で取り上げたもの。公共工事予定価格積算のもとになる材料単価は国土交通省所管の二つの財団法人が独占調査していますが、問題のゴム製支承の単価が異常に高く記載されていることが本紙の調べで明るみにでました。
ゴム製支承は阪神大震災後、耐震性の面から急速に広がりました。第二東名・名神高速道路をはじめ全国の橋りょう工事で使用されており、市場規模は年間百数十億円。関係者によると、ゼネコンなどが高速道路工事で使用するゴム製支承の納入をめぐり、各メーカーは価格低下を防ぐため価格カルテルを結んだ疑いを持たれています。
ゴム製支承をめぐる材料単価調査がメーカーの意向に沿っておこなわれ、単価を一個数百万円から数千万円と高額に設定。一工事に数十個単位で使うためメーカーが高い利益を得るとともに、ゼネコンも材料単価より安い価格で購入して差益を得ることが可能になる仕組みでした。ゴム支承の異常高値については本紙報道後、国土交通省なども問題にし、是正を求めました。