2002年9月17日(火)「しんぶん赤旗」
本紙主催の囲碁第二十七期新人王戦は、優勝・準優勝各一回を誇る高尾紳路(たかお・しんじ)七段(25)と棋聖・本因坊両リーグに席をおく張栩(ちょう・う)七段(22)の初顔合わせとなりました。決勝三番勝負第一局は十六日、東京・日本棋院で行われ、午後九時三十三分、349手まで白番の張七段が、三目半勝ちしました。
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握って先番の高尾七段が、右上星に第一着。張七段が地を重視、黒が全体に厚く打つ進行となりました。
今年、高尾七段は一手十秒の俊英戦に優勝、張七段はNHK杯選手権で優勝と、両者とも早碁選手権を制しており、これまでになく早い着手で進みました。
昼食休憩後、張七段が右上隅の黒陣地に白38と打ち込み、黒が反発、左辺の中央白四子を攻め逆襲に出ました。攻める黒、シノぐ白のスピードある展開。黒57と中央の白の頭を止めた段階から両者、小刻みに時間を使い難解な碁に。
白が66と左辺で生きた後、下辺白70が打ちすぎで、白が形勢を損ないました。これを転機に黒の厚みが随所で働き、控え室の「白が薄く、苦しい」という形勢判断の中、黒は仕掛けた右辺のコウに勝ち優勢に。しかし、黒が秒読みに追われ狙いの右上に打ち込み勝負に出ましたが、白が猛攻をかわして懸命に粘り腰を発揮。うまく打ち回し細かい形勢に持ち込み、最後までもつれましたが、白番の張七段が先勝しました。
勝った張七段は「ずいぶん苦しかったが、運がよかった」、勝ちを落とした高尾七段は「あまりいいとは思っていなかったが、後半、失敗したような気がします。第二局を頑張ります」と話していました。対局を奥原紀晴赤旗編集局長代理、立ち会いの戸沢昭宣九段らが見守りました。
黒135コウ取る以下同(97)、白138(132)、141、148、151、186(45)、216(98)、237(149)、240(126)、246(130)、250(169)、251(153)、254(130)、257、260、263、266、269、272、275、280、283、286、289、292、295、298、301、304、307、310、314(149)、315(153)、318、321、324、326(132)、329(97)、330(153)、332(132)、335(97)、337(132)、349(302)。
黒番 高尾紳路七段(1〜349手)
白番 張 栩七段
(持ち時間各5時間、黒五目半コミ出し)
消費時間=高尾七段 4時間59分
張 七段 4時間23分