日本共産党

2002年9月14日(土)「しんぶん赤旗」

サービス残業撲滅

連合が本格運動

時間管理を協定化、監督行政の強化


 連合(笹森清会長)は十二日、サービス(不払い)残業の撲滅にむけ、秋から春闘にかけた最重点課題の運動としてとりくむことをきめました。都内で開いた中央執行委員会で決めたもので、連合が本格的な運動を位置付けるのは初めてです。

 第一に労働組合のとりくみ強化をあげ、「労働時間管理の協定化」をはかるとしています。十一月にすべての加盟組合を対象とした「労働時間の管理と実態点検活動(仮称)」を実施。二月には「労働時間順守月間(仮称)」を設けて、三六協定(労働基準法にもとづく労使による労働時間の延長限度を定めた協定)の適正化をすすめるとともに、出退勤や残業など労働時間の把握方法について労使確認し、協定化していくとしています。

 もう一つは、労働基準監督行政の強化です。従来の事前規制型行政を厳格な監督・指導および罰則中心に改めさせるとし、監督官の臨検(抜き打ちで行う職場立ち入り調査)を徹底・強化する内容。「重大」かつ「度重なる」違反は「直ちに司法的制裁を与える」こと、サービス残業の温床となっている自己申告制度の見直しを厚生労働省などに求める、事件の情報公開、全国の監督署単位に労働時間適正化協力員(仮称)を設置することなどをあげています。

 連合が本格的な運動に乗り出す背景には、リストラによる長時間・不払い残業の横行や過労死・自殺の増加など職場悪化の広がりがあります。連合の緊急雇用実態調査(二〇〇〇年)では、業務負担が「きつくなった」との回答は50・0%をしめ、「楽になった」は1・5%でした。

 草野事務局長は会見で、この状況を「これ以上放置するわけにはいかない」とのべました。

 自動車総連は、すでにサービス残業をなくす「統一キャンペーン」を十一月にとりくむことをきめています。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp