日本共産党

2002年9月7日(土)「しんぶん赤旗」

公務員給与引き下げ 人事院勧告

「賃下げ競争招く」

「民間に影響」

春名衆院議員が批判


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質問する春名直章議員=6日、衆院総務委員会

 日本共産党の春名直章衆院議員は六日、衆院総務委員会で、人事院が国家公務員賃金を引き下げる勧告をした問題について質問し、「民間企業も含めた賃下げ競争の悪循環を招く」と厳しく批判しました。

 ことしの人事院勧告(八月八日)は、給与勧告制度創設以来初めて月例給の2・03%引き下げ、ボーナス引き下げなど合わせて年間給与2・3%、平均十五万円もの大幅賃下げを勧告しています。

 春名議員は、「人勧の影響を直接受ける労働者は七百五十万人。民間中小企業ではこの公務員給与を参考にするところも多く、賃下げの悪循環に陥る」と指摘。「人勧をテコに年金給付の2、3%引き下げをめざす」という財務省当局者の発言もあげ、「長引く不況をいっそう深刻化させる」と批判しました。

 春名議員は、ことしの春闘の結果(全労連国民春闘共闘の集計で賃金がマイナス0・24%、連合集計でマイナス0・21%、厚生労働省集計でもマイナス0・35%)に照らしても、月例給で2・03%の切り下げは大きすぎると指摘。調査方法を変えたためではないかと追及し、「人事院のさじ加減一つで切り下げ幅が大きくなるというのでは、(労働基本権をはく奪されたことについての)代償措置とはいえない」と批判しました。

 人事院の中島忠能総裁は、「より実態に適したものに調査方法を変えた」とのべましたが、調査の具体的な内容にはふれませんでした。

 ことしの勧告が、四月に実施したと仮定してその減額分を十二月の年末手当で差し引くとしたことについて春名議員は、「不利益不遡及(そきゅう)の原則」を踏み破るものと批判しました。

 この原則は、労働条件の切り下げなどの不利益は、過去にさかのぼって適用してはならないというもの。春名議員は、この原則が崩れれば「一度払った給与を、払いすぎていたから払い戻せ」ということがまかりとおることになり、「民間労働者にも影響し、国民的な不利益になる」と批判しました。

 


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