2002年9月7日(土)「しんぶん赤旗」
全日本検数協会(社団法人)が神戸支部の労働者の賃金を50%カットしたのは不当として、カット分約四億円の支払いを協会に命じた神戸地裁判決(八月二十三日)を受け、協会側は、控訴を断念し全額支払うことを明らかにしました。全日検神戸支部労組(全労連・検数労連加盟)が六日記者会見し、発表したものです。これによって判決が確定し、原告(労働者)側の完全勝利となりました。
記者会見では労組役員、家族らが、「一言ではいいあらわせない苦しみを味わってきただけに、全面解決は大きな喜びです」と語りました。
全日本検数協会は、輸出入貨物の数量や損傷をチェックする公的機関。阪神・淡路大震災などによる神戸支部の大幅収入減を理由に、昨年四月から、全国十支部のうち神戸支部だけ賃金50%カット、一時金ゼロを強行しました。労働者側は同月二十六日に提訴、全額支給を求めて、家族や支援の労働者に支えられながらたたかってきました。
地裁判決は「生活実態を考慮した合理性を有するものとは認めがたい」と断罪、協会にカット分支払いと今後はカットしないよう命じました。