日本共産党

2002年9月4日(水)「しんぶん赤旗」

東電副社長 知っていた

柏崎刈羽原発炉心の傷

福島第一 違法修理も隠す


 東京電力の原子力発電所点検記録の虚偽記載・隠ぺい問題で、原子力本部長を務める東電副社長が三日、原発所長当時に炉心構造物の傷の報告を受け、知っていたことを認め、幹部自身の隠ぺい関与が浮上してきました。また、国に認められていない溶接修理を隠していた事実も判明、東電の組織的な虚偽記載・隠ぺいの実態があらたに浮かび上がってきました。

 東京電力の榎本聡明副社長(原子力本部長)は三日、「柏崎刈羽原発所長をしていた時、1号機の小さな傷について報告を受けた記憶がある」と述べ、問題となった炉心隔壁(シュラウド)の傷について一部把握していた事実を認めました。

 東電の役員が自分自身のトラブル隠し関与を認めたのは初めて。

 榎本副社長は東京都千代田区の新潟県東京事務所で、平山征夫知事から原発の安全管理体制に関する緊急要請を受けた後、記者団の質問に答えました。報告を受けた傷は、今回調査対象となっているものといいます。同副社長は一九九五年六月から九七年六月まで、柏崎刈羽原発所長を務めていました。

 東京電力の福島第一原発1号機では、違法な溶接工事をおこないながら、修理した事実を隠すために記録を改ざんしていたことが三日わかりました。原子力安全・保安院は、原子炉等規制法に違反する疑いがあるとして調査しています。

 東電は、同原発の原子炉圧力容器内の蒸気乾燥器を自主点検した結果、六カ所にひび割れが発生していたことをつかみ、このうち三カ所を修理していました。この点検記録を改ざんし、修理の事実を隠ぺいした理由は、原子炉等規制法では認められていない「水中溶接」をおこなったためだったことがわかりました。

 


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