日本共産党

2002年8月23日(金)「しんぶん赤旗」

自民議員らに4759万円

帝京大側 亀井静香氏ら12人

95年から6年間 総長と深い関係示す


 入学手続き前に受験生から二十四億円以上もの寄付金を集めていたことが問題となっている帝京大学(東京都板橋区)グループと総長らが、自民党を中心とした国会議員と元議員計十二人の資金管理団体と政治団体に二〇〇〇年までの六年間で計四千七百五十九万円の政治献金をしていたことが、政治資金収支報告書などからわかりました。

 献金は、八割近くが冲永荘一総長と妻・恵津子(洋子から改名)氏からの個人献金。ほかに帝京大の関連企業二社が献金とパーティー券購入をしていました。

 帝京大学は、国から補助金を受けており、政治資金規正法の制限で学校法人として政治献金することができません。冲永総長夫妻からの献金は、政治家十人に六年間で計三千六百万円と巨額なものでした。

 冲永総長は、簿外処理していた入学手続き前の寄付金の受け皿だった「帝京育英財団」の理事。妻の恵津子氏は同財団の理事長です。冲永総長は宮路和明前厚生労働副大臣の入学「口利き」問題で、宮路事務所のメモに名前が記されているほか、合格発表前の寄付金・預かり金の受け取りに直接関与していたとの証言が出ています。

 個々の政治家への献金の額を見ると、もっとも多く献金を受けていたのが自民党の亀井静香元政調会長で、六年間に約千四百万円。亀井議員は東京・永田町のマンション「パレロワイヤル永田町」に帝京大の関連会社「帝京サービス」が所有する部屋一室を、一九八〇年ごろから九六年まで、ただで使用していました。

 入学「口利き」問題で冲永氏と連絡をとっていた宮路和明前厚労副大臣にも献金していました。資金管理団体ではない政治団体に総長から毎年百万円ずつ、計六百万円を受けています。このほか、自民党の松島みどり衆院議員(比例東京)にも総長らから九百万円。松島議員は総選挙があった九六年から初当選する二〇〇〇年六月まで、「帝京サービス」から約三千万円の給与を「在宅勤務」で受領していました。

 このほかに献金を受けていたのは、亀井郁夫、山東昭子、塩崎恭久、古屋圭司、森岡正宏の自民党の各議員と、民主党の仙谷由人議員、自由党の東祥三議員。栗本慎一郎、中尾栄一の二人の元議員も献金を受けていました。


帝京大学側から国会議員(元議員)の政治団体への献金

(1995〜2000年、パーティー券含む、数字は万円)

国会議員名金額献金者うちわけ
亀井 静香(衆)1399冲永荘一800恵津子499
帝京サービス100
松島みどり(衆)900冲永荘一600帝京サービス150
三荘企業150
宮路 和明(衆)600冲永荘一600
亀井 郁夫(参)200冲永荘一100恵津子100
山東 昭子(参)100冲永荘一100
塩崎 恭久(衆)100冲永荘一100
古屋 圭司(衆)100冲永荘一100
森岡 正宏(衆)10帝京サービス10
仙谷 由人(衆)200冲永荘一200
東  祥三(衆)100冲永荘一100
栗本慎一郎(元)850冲永荘一100恵津子200
帝京サービス400三荘企業150
中尾 栄一(元)200帝京サービス200

 


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