2002年8月23日(金)「しんぶん赤旗」
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ムダと浪費の高速道路建設の是非が問われているなか、日本共産党の吉川春子参院議員は二十二日、焦点になっている第二東名高速道路の静岡市周辺のトンネル、橋りょう、インターチェンジなどの工事現場を訪ねて、実態を調査しました。大沢辰美参院議員秘書が同行しました。
第二東名(海老名―名古屋)は総延長二百八十キロで総事業費五・五兆円、第二名神とあわせると十兆円近くにのぼります。「時速百四十キロのスピードでも安全に走れるようにしてある」(同行した日本道路公団静岡建設局の職員)ことから、カーブを少なくし高低差をなくしているため、トンネルと橋が全体の六割を占めるという構造で高建設費の原因になっています。
吉川氏らは、上下線ともゆったりした三車線で、トンネルの断面が現東名のトンネルの一・五倍の大きさとなる岡部トンネルなどを調査。また内牧高架橋では十数階建てのビルと同じ高さ四十メートル、地下部分が二十メートルという巨大な橋脚を視察。「一本一・三億円する」(同公団職員)などの説明を受けました。
公団側が建設の理由で「東海地震が起きて現東名がだめになるとか、予想もつかない事態を想定している」と説明。吉川議員は「それをいうなら現東名の耐震補強に全力を挙げるべき」と指摘しました。
調査後、吉川議員は「六車線で、百四十キロでも走れるようにとすごいお金をかけてつくっている。東海地震対策というのも根拠薄弱。採算のとれないことははっきりしているのだから、いったん凍結して見直すべきです」と語っていました。