日本共産党

2002年8月17日(土)「しんぶん赤旗」

育英会奨学金の灯消さないで

各界連に寄せられた声(下)

痛みわからないのか…悲しい

進学したくてもできなくなる


利用者は…

 「日本育英会の奨学金制度廃止に反対し、拡充を求める各界連絡会議」によせられた奨学金利用者の声を紹介します。

 ○学生時代に両親が離婚し、生活に困って本制度のお世話になりました。こんなことで制度が廃止されてはたまりません。(東京都練馬区)

 ○私はどうしても進学したくて中学三年の夏休みに試験を受け、父を説得して食事以外の負担はいっさいしないことを条件に認めてもらいました。私は学校の費用だけでなく修学旅行の積み立てなどもお借りした奨学金でまかない、残りをノート、消しゴムなどの学用品や参考書に使いました。奨学金の存続、拡大を心より願い、これからもたくさんの子どもたちが恩恵にあずかることを祈っております。(東京都板橋区)

 ○育英会事業の民間委託とか廃止では、お金のない人たちから学習の機会を奪うもので、大変なことになります。職場の人たちに署名をしてもらいました。(東京都新宿区)

 ○私は、昭和四十年(一九六五年)に大学入学し、現在は弁護士として働いております。母一人に、私たち七人の子どもは育てられました。兄弟姉妹はみな中学を卒業して働いております。育英会の奨学金制度があったからこそ現在の自分があること、同じような境遇にある青年が多くいることを決して忘れてはいけない、と自分に言い聞かせてきました。先のみえない不況下、心ならずも進学をあきらめている方々が多いのではと思います。運動の発展を期待します。(新潟市)

 ○私は今、建築の設計をしていますが、建築工だった父は私が十歳の時に四十歳で病死しました。日本育英会の奨学金により、私は大学へ行くことができたのです。そして今の私があるのも、大学へ進学し建築を四年間学ぶことができたからなのです。奨学金を本当に必要とするものにしか、そのありがたさがわからない。痛みのわからない人間が国をつくっているからこんなことになるのでしょう。悲しい。(東京都文京区)

 ○私もお世話になりました。地方から大学へ進学を希望する学生は一人暮らしをしなければいけないので、親の負担を少しでも減らすために利用しました。この制度の廃止で、進学したくてもできない人が増えるのではないでしょうか。(京都府久世郡)

 ○やっと十年間の返済が終わりました。面接などをして、貸与してもらえるようになったとき、十五歳の心には家の貧しさを認めてもらったことを惨めに感じました。しかし、今思えば、ありがたいことだと思います。育英会の制度が存続することを望みます。(福岡市)

 ○日本育英会には私たち夫婦もお世話になりました。子ども三人のうち上二人もお世話になっております。今春大学受験をする末っ子もそのつもりでおります。ぜひこの良き制度が存続するよう頑張って下さい。(東京都立川市)

 ○高校、大学、大学院(返還義務は高校分のみ)とお世話になった者として、「機会不平等」施策に絶対反対です。(名古屋市)

 ○私は事情があり、三十五歳より高校、大学と学びました。大学の二年生のときからですが、日本育英会のお世話になり、大変助かりました。卒業してから十年かけて返済いたしました。(東京都江戸川区)

 


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