日本共産党

2002年8月17日(土)「しんぶん赤旗」

雪印は社会的責任果たせ

解雇撤回裁判開始に合わせ

「支援する会」19日に結成へ

北海道


 国民を欺く牛肉偽装事件を引き起こし、原因究明もそこそこに会社を解散し従業員を全員解雇した雪印食品。「解雇は許せない」と立ちあがった労働者を支援するたたかいが広がっています。


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北海道の地域経済交流集会で報告した雪印労働者の小川さん(中)と、道労連の小室正範事務局長(右)、苫小牧地区労連の森下克弘事務局長=10日、札幌市

 一昨年六月の親会社、雪印乳業の大量食中毒事件に続いて、国のBSE(狂牛病)対策事業をめぐって輸入牛肉を国産牛肉と偽ってきた雪印食品の牛肉偽装事件が今年一月に発生しました。さらに今月、業界トップの日本ハムの偽装事件も発覚し、消費者・国民に大きな衝撃を与えています。

 雪印発祥の地、北海道。雪印食品北海道工場(早来町)の労働者たちは、事件発覚後から、会社が全容を解明し、責任者の処分や消費者への謝罪・説明を尽くしていたなら会社解散に至るほどの信頼喪失を避けることができたのではないかと追及。道労連(北海道労働組合総連合)や苫小牧地区労連の支援をえて、自宅待機中のパート労働者の賃金を十割支給させたり、雇用保険をさかのぼって適用させるなどの成果をあげてきました。

 七年間、パート労働者として勤めてきた斉藤良子さん(46)は「年末など忙しい時は正規もパートもなく、『ひと休みしたい』と思っても、立ちづめで二時間、三時間と残業もこなしてきました。私たちが泣き寝入りすると同じように苦しんでいる全国のパートの人たちに悪い影響を与えます。最後までがんばりたい」といいます。九日には、苫小牧市内の労組や民主団体を訪問し、支援を訴えてまわりました。

 斉藤さんら六人のパート労働者と二人の正社員は六月、従業員としての地位確認と賃金・慰謝料の支払いを求めて札幌地裁へ提訴しました。十九日、札幌地裁で裁判が始まります。食の安全や雇用はもちろん、企業の社会的責任をどう果たさせるかが大きな争点です。

 また同日、道労連、苫小牧地区労連などが広範な団体や個人によびかけて、「雪印食品のたたかいを支援する会」を結成し、支援カンパや宣伝、親会社の雪印乳業への要請行動などをくり広げることにしています。

 雪印食品一般労働組合北海道分会の小川勉分会長(50)は「利益第一で、企業の社会的責任に自覚のない会社幹部が引き起こした事件の犠牲を一生懸命働いてきた労働者に転嫁することは許されません。多くの人たちの支援を受け、必ず勝利したい」と話しています。

 


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