2002年8月15日(木)「しんぶん赤旗」
民間信用調査会社の東京商工リサーチが十四日発表した七月の全国企業倒産(負債額一千万円以上)は前年同月に比べ11・9%増の千七百十八件で、七月としては戦後最悪となりました。
六月は十カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、ふたたび「年間二万件に限りなく近づくペースで推移していた一〜五月」の水準に戻ったといいます。
負債額は同33・2%増の一兆一千六百十六億円で、七月では戦後三番目。今年六回目の一兆円超えとなりました。上場企業の倒産は二件で、年初からの累計はすでに二十四件にのぼっています。
産業別では、建設業の倒産が今年二番目に多い五百四十三件。一部の輸出関連の好調さから前年比減だった製造業は、ふたたび増加に転じて三百十九件です。
販売不振を中心とした「不況型」倒産は、千二百五十件となり、構成比で72・7%。十七カ月連続で70%を超えました。
BSE(牛海綿状脳症)の影響による倒産も六件発生。今年の累計が四十八件となりました。
東京商工リサーチでは、大手メーカーの海外生産シフトや、需要の海外頼みなど、景気の先行きには「不透明要素」が多く、今後も倒産は「前年水準を上回って推移する可能性が高い」としています。
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同日発表の帝国データバンク集計による七月の全国企業倒産は千八百十四件(同15・8%増)、負債総額は一兆二千三十五億円(同61・1%増)でした。