2002年8月3日(土)「しんぶん赤旗」
五十七年前に史上初めて原子爆弾が投下され、おびただしい被害をこうむった広島市で、「核兵器のない平和で希望ある世界を―国際的連帯と共同を広げよう」をテーマに二日、原水爆禁止二〇〇二年世界大会の国際会議が始まりました。
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会議には、海外二十四カ国、六つの国際・地域組織から六十四人と日本の代表あわせて二百五十九人が参加しました。
またベトナム、マレーシア、スウェーデン、ニュージーランド、ラオスの五カ国の元首などから連帯のメッセージが寄せられたことが紹介されました。
会議では、米国の攻撃的な核兵器政策やテロを口実にした覇権主義政策への批判が相次ぎ、こうした逆流をはねかえし、核兵器のない二十一世紀への道を切り開く運動への熱い訴えが続きました。
主催者を代表して被爆者の沢田昭二・原水爆禁止日本協議会代表理事があいさつしました。沢田氏は、「ブッシュ米政権が露骨な核兵器使用戦略を打ち出し、イラクへの戦争計画を公言している」ことに警鐘を鳴らすと同時に、米政策への批判が大きく広がっていることを強調。核兵器廃絶をめざす諸国民の団結、非政府組織(NGO)と非核の政府との協力の発展をよびかけました。
被爆者からの報告で日本原水爆被害者団体協議会の小西悟事務局次長は広島での被爆の体験にふれながら、「ブッシュ政権の誕生で世界に不気味な暗雲がたれこめている。ヒロシマの意味をとらえ直そう」とよびかけました。
「核兵器廃絶」をテーマにしたセッションIでは、米国、中国、インド、日本の代表が報告。スリランカ、ベトナム、ニュージーランドの代表や日本共産党の緒方靖夫参院議員が発言しました。
緒方氏は、ブッシュ米政権の危険な核政策を解明し、「新アジェンダ連合」、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国、非同盟運動などと原水爆禁止世界大会との連携の重要性を強調しました。
「テロも報復戦争も反対」をテーマにしたセッションIIでは、米国のテロ事件の犠牲者の遺族リタ・ラサルさんが発言しました。