日本共産党

2002年7月31日(水)「しんぶん赤旗」

失業者

若者114万人無収入

雇用保険わずか77万人

打ち切られ生活深刻

総務省調査


 総務省は三十日、失業者の収入などを調べた「就職希望状況調査」を発表しました。それによると、今年四、五月の完全失業者三百七十四万人(平均値)のうち、百九十万人が調査時の一カ月間に「収入がなかった」ことがわかりました。このうち、三十四歳以下の若者は百十四万人を占めました。調査は、失業者の収入、求職活動の状況を調べる目的で初めて実施。約二万件のサンプル世帯調査を基に、実数を算出しました。

 失業者の一カ月の主な収入は、「収入なし」に次いで、雇用保険が七十七万人、年金・恩給が三十三万人の順。世帯主との続き柄でみると、「世帯主」本人は、無収入(三十万人)と雇用保険受給者(二十八万人)がほぼ同じ水準でしたが、世帯主の子どもなどを示す「その他の家族」は、百十七万人が無収入でした。

 雇用保険については、受給していない世帯主五十九万人のうち二十七万人が「既に期間が終了」していて、失業の長期化で生活不安が深刻になっていることを示しました。その他家族では、「資格を満たしていない」「前職がない」が百万人を超えました。

 求職活動の状況は、三十四歳以下で「自分に向いた仕事に就きたい」などの理由が目立ちましたが、三十五歳以上では、「労働条件に不満」など労働市場側の理由を挙げる回答が多くありました。また、求職活動をしていない非労働力人口四千八十二万人のうち、「探す予定・探す可能性がある」と答えた人は九百二十三万人にのぼりました。

正規125万人減→臨時50万人増 労働力調査

 総務省が三十日発表した労働力調査(速報)によると、六月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ5・4%でした。男性は同率の5・5%、女性は0・1ポイント低下の5・2%でした。

 完全失業者は三百六十八万人で、前年同月比三十万人増。男女とも同十四万人増加し、男性二百二十二万人、女性百四十五万人でした。自発的離職者は百十七万人で、四カ月連続して前年比で減少する一方、非自発的離職者は百五十三万人で、同六十一万人増と過去最大の増加です。

 職に就いている人を示す就業者は前年同月比九十三万人減少(前年比十五カ月連続減)の六千三百七十三万人。うち、雇われている人を示す雇用者は同六十五万人減(同十カ月連続減)の五千三百四十八万人です。

 特に常用雇用者は四千五百七十七万人で、前年同月比百二十五万人減と二カ月続いて百万人を超す減少。臨時雇用は六百二万人で、同五十万人増と増加基調で推移しており、企業が雇用を正規社員から非正規社員化を進めている傾向が続いています。また、自営業主・家族従業者は九百九十八万人で、前年同月比で三十四万人減と二十九カ月も連続して前年比減少を続けています。

有効求人倍率0.53倍
失業率 近畿6.8%、東北6.4%…

 厚生労働省が三十日発表した六月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同率の〇・五三倍でした。

 雇用の先行指標といわれる新規求人は、一年前(前年同月)より3・0%減と十一カ月連続で前年比減となりました。これを主要産業別にみると、前月に引き続き「サービス業」(1・0%増)は増加となり、「建設業」(13・2%減)、「製造業」(2・8%減)は減少。一方、「運輸・通信業」(2・0%増)は減少から増加、「卸売・小売業、飲食店」(5・8%減)は増加から減少に転じました。

 五月の有効求人倍率を都道府県別にみると、熊本県が前月比で〇・〇三ポイント低下するなど、十一道府県で前月より悪化しました。

4―6月の労働力

 総務省は三十日、六月の労働力調査結果の発表と同時に、四―六月の平均結果も発表しました。

 それによると就業者は六千三百五十四万人で、前年同期比百二万人減少(全国十ブロックすべてで減少)しました。完全失業者は三百七十二万人で、同二十七万人増加。完全失業率(原数値)は5・5%で、同0・4ポイント上昇(悪化)しました。

 完全失業率を全国十ブロック別にみると、北海道が前年同期比で0・3ポイント低下(改善)したほかは、すべてのブロックで悪化しました。特に東北(6・4%)、南関東(5・7%)、近畿(6・8%)は、過去最悪を更新しました。

 上昇幅が最も大きかったのは東北の1・6ポイントでした。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp