2002年7月31日(水)「しんぶん赤旗」
小泉内閣不信任案の討論にたつ 松本善明議員=30日、衆院本会議 |
日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党四党は三十日、共同で小泉内閣に対する不信任決議案を衆院に提出しました。決議案は衆院本会議で採決され野党四党などの賛成一八五票に対し自民、公明、保守の反対二八〇票で否決されました。
野党四党の各代表が衆院本会議で不信任決議賛成の討論をおこない、日本共産党からは松本善明議員が討論に立ちました。
松本氏は、小泉内閣が医療改悪法を与党単独で強行したことを厳しく糾弾し、「法案の中身に加え国会のルールを踏みにじって採決を強行したそのやり方は、小泉自公保政権の冷酷で危険な本性を象徴的に示すもの」と批判しました。
松本氏は、不信任決議賛成の理由として、(1)最大の問題となっている「政治とカネ」の問題についてまったく自浄能力がない(2)外交の深刻な破たん(3)憲法の平和原則に違反する有事法制を推進する危険なタカ派ぶり(4)経済運営のかじ取り不能、の四点を指摘。
「自民党を変える」と公約して発足した小泉内閣が「政治腐敗でも、外交でも、経済でも旧来の自民党政治を改革することができないことは明らかだ」として、「速やかな解散・総選挙で国民の審判を問うことを強く要求」しました。
一方、自民党の町村信孝議員は反対討論で、与党三党の強い結束のもとに「星の数ほど成果はある」とし、医療改悪法の強行もその成果の一つとして誇示しました。
記者会見する志位和夫委員長=30日、国会内 |
日本共産党の志位和夫委員長は三十日午後、国会内で、記者団から小泉内閣不信任決議案が否決されたことの感想を問われ、次のように述べました。
一、国会の中では与党の数の力が多数で、否決という結果になったが、国民的には小泉内閣不信任という流れが突き付けられていると思う。
今度の国会を振り返ってみると、「改革」ということを掲げながら、腐敗政治があれだけ相次いだのに、ひとかけらの反省も自浄能力の発揮もなかった。結局、国民に押しつけられたのは、医療費の値上げをはじめとする負担増、痛みだけだった。
一、こういう腐敗政治への無反省、暮らしを痛めつける政治、有事法制など憲法を壊す政治に対し、非常に広い方々からも怒りの声がいま、澎湃(ほうはい)と広がっていることを痛感する。
この内閣の支持率は上下することはあるかもしれないが、衰退に向かうことはさけられない。この内閣には、日本の政治のかじ取りをゆだねることはできないという声はますます広がるだろう。(今回の不信任案は)野党の政治姿勢を鮮明にし、国民のみなさんの声を代弁して堂々と不信任を突き付けるという意義あるものだったと思う。
日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党四党は三十日午後、小泉純一郎首相の問責決議案と倉田寛之参院議長の不信任決議案を参院事務総長に提出。同日の議院運営委員会で取り扱いを協議し、三十一日午前の参院本会議で採決することになりました。