日本共産党

2002年7月25日(木)「しんぶん赤旗」

全労連第20回大会での

市田日本共産党書記局長のあいさつ

(大要)


 二十四日からはじまった全労連第二十回大会での市田忠義書記局長のあいさつは次の通りです。


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全労連第20回定期大会であいさつする市田忠義書記局長=24日、東京・新宿区

 みなさん、おはようございます。全労連第二十回大会にたいして、日本共産党を代表して心からの連帯のごあいさつを申し上げます。

小泉内閣は深刻な危機に

 小泉内閣が発足して一年あまりがたちました。発足当初は、八〜九割の支持率を誇っていました。しかし、いまや深刻な危機とゆきづまりに直面しています。

 例えば、利権・腐敗政治の問題ではどうでしょうか。鈴木、加藤、井上疑惑――共通しているのは、全部自民党だということ。そして、特定の企業に、税金で行われる国の仕事がまわるようにし、その見返りに企業から献金を受け取る――すなわち、公共事業を食いものにし、税金を私物化するというところに共通点がありました。

 だれも鈴木宗男氏に辞めなさい、とはいえなかった。おまえもやっているではないか、といわれればぐうの音もでない。自民党の総裁でもある小泉氏も「出処進退は自分で」としかいえなかった。支持率が下がるのは当たり前であります。自民党や与党がほんとうに反省するのなら、腐敗の根源である企業献金の禁止、少なくとも公共事業受注企業からの献金の禁止に踏み出す――これは国民の圧倒的な声ではないでしょうか。

 小泉内閣は、くらしと経済のかじ取りもできなくなっています。

 先日、カナダでおこなわれたサミットのあとの記者会見で小泉総理はなんといったか。「私の改革路線はゆるがない」「改革なくして成長なし」――何度この言葉をきかされたか。もう、うんざりというのがみなさんの気持ちじゃないでしょうか。

 「不良債権処理」の掛け声で中小企業がつぶされました。今年上半期の企業倒産は九千八百七十二件、なかでも「不況型倒産」が四件に三件を超える非常事態です。一兆五千億円もの負担を国民に押しつける医療の大改悪、いま国会で緊迫した状況を迎えています。明日、厚生労働委員会で強行採決ともいわれています。赤字の中小企業からも税金を取る外形標準課税や消費税の増税も計画されています。これほど冷酷無比の政治はありません。

 「景気は底入れ」どころか底割れです。完全失業率は5・4%、所得も減り、家計消費、設備投資も落ち込みを続けている。「底入れ」したというのは、アメリカを中心にした輸出が少し伸びたからにすぎません。まさにアメリカ頼み、ところがそのアメリカがバブルの崩壊で重大な危機にひんしている。

 みなさん、今一番大事なことは、地に足をつけた経済政策への切り替え、負担増をやめるとともに、雇用を守り、国民のくらしを応援して内需を拡大することではないでしょうか。

 平和の問題ではどうか。

 今国会最大の重要法案といわれた有事三法案について私たちは、この法案の本質が海外での米軍の戦争に自衛隊が武力行使で参加する、それに国民を強制的に動員するものであることを、国会論戦を通じて明らかにしました。こうした論戦と全労連をはじめとする草の根からの粘り強い国民のたたかいによって、今国会での成立は困難となりました。画期的な成果であります。たたかいの成果にお互いに確信をもつとともに、息の根を止めるまで、がんばりぬこうではありませんか。

解散・総選挙に追い込み審判を

 小泉政権があらゆる分野で危機に直面していることはもはや明らかであります。しかし、これはひとりでにそうなったのではない。私たちが、小泉政権に対する一貫した、もっとも厳しい政治的対決者として奮闘してきたからではないでしょうか。

 先ほどものべたように、情勢をきりひらいたのは国会論戦とともに、草の根からの運動の力でした。その点で、全労連が果たされた役割はきわめて大きいものがありました。幅広い共同も広がりました。一枚のビラやポスター、対話や署名、学習、集会、デモが世論を動かし巨大な力を発揮する、歴史を動かす大きな力になる。このことに確信をもち、くらしや雇用を守るたたかいをさらに強めるとともに、新しい政治への転換をかちとるため、いまこそ解散・総選挙に追い込み、腐敗温存、経済破たん、憲法破壊の自公保政治に痛烈な国民的審判をくだそうではありませんか。

いま全労連に大きな期待が

 みなさん、本大会のスローガンは「雇用・くらし・いのちと平和を守り、政治の民主的転換にむけ、壮大な共同の発展を」です。全労連が掲げているリストラ反対、賃金の底上げ、社会保障の充実、地域経済の擁護などの要求は、連合を含め多くの労働者、労働組合の共通の要求になっています。

 これらは、労働者の緊急で切実な要求であるとともに、国民各層の生活と営業の深刻な破壊のもとで、社会的・国民的意義をもつ要求でもあります。しかも、小泉内閣の経済政策の破たんによる最悪の不況のもとで、日本経済を救う大義をもつたたかいでもあります。いま、労働戦線での共同行動、国民各層との共同行動で、全労連の果たす役割に大きな期待がよせられています。

 この点で、今年三月、全労連と日本共産党などで共催した「リストラ・シンポ」は大企業の横暴をおさえ、労働者の雇用を守るうえでも、また、この分野での新しい共同のあり方という点でも画期的な成功をおさめました。

 みなさん、戦後日本の労働運動の歴史が示しているように、労働組合は、平和と民主主義のもっとも先進的な組織です。全労連は、当面している有事法制、憲法改悪などの政治課題と経済課題とを結合してたたかう唯一のナショナルセンターです。すべての労働者を視野に入れ、全労連の拡大・強化、そして労働者と国民の要求にこたえる運動がいっそう前進することを期待して、あいさつとします。

 


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